稲作農業の安定と発展は、水の確保が第一である。そのために、主として人工施設をつくりあげて、水を田に引く工夫は、稲作がはじまった弥生時代よりあった。
その方法として
○河川より井堰をつくって引水。(河川灌漑)
○溜池をつくって引水する。(溜池灌漑)
○湖沼を利用して引水する。(湖沼灌漑)
○地下水(湧水・天水)を利用して引水する。(自然灌漑というべきであろう)
○その他
にわけられるが、もっとも一般的なものは河川灌漑と溜池灌漑である。
全国的には、こうした用水路つくりは、戦国時代以後築城・鉱山技術の活用によって大規模な灌漑用水路を可能にして、新田畑の開発をうながしたという。
中津川地域の村においても、同様に河川灌漑と溜池灌漑が大部分で、江戸時代初期までにその後の村を支えた主要な灌漑施設ができあがったようである。