殿様無尽

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茄子川村木曽方[山村甚兵衛知行所]庄屋善右衛門の記録に「文久元年酉十月十三日八ツ時掛金 殿様御無尽金三會目取集帳」(篠原家文書)がある。これによると木曽方百姓善右衛門以下四九名が石高割で掛金をだしており、村方負担の無尽である。割当てについては、善右衛門 銀一八匁三分、弥右衛門 銀一四匁四分、篠原 銀三三匁二分と いうように銀で示され、その横に実際に入金した様子が書かれている。この殿様無尽のくわしいことは判らないが、尾張徳川家の財政方針の一環として、村高に応じて割当てを行い、徳川家財政の収入(領主の勝手方収入の場合も入れて)の一つとしたり、これをもとにして村の救済にあてるなどしたと考えられる。