山林保護について、湯舟沢村では二つの法度があった。御鷹野火法度と川並法度である。この法度の内容についてはそれぞれの所でとりあつかうので概要についてみることにする。
野火巣鷹手形帳という法度が出来たのは延享の頃から(木曽福島町史)出来たもので、村中の者が記名・調印し請書を提出している。その内容とするところは、「野火御巣鷹手形帳」と呼称しているが、嘉永年間のものによると約二〇か条からなり、野火・切畑・巣山は勿論のこと、山林保護上の全般にわたっているものである(巣鷹山参照)。
川並法度については、伐採木が川で運材される、その間における盗木等を防ぐための法度で「川並法度手形帳」といい、毎年署名の上誓約書を役所に提出する形をとってきた(伐出と運材の項参照)。