鷹は、鷲鷹目、ワシタカ科に属する中形の鳥である。日本産の鷹類は、ノスリ属・チュヒ属・ハイタカ属・ミサゴ属・ハチクマ属・サシバ属・クマタカ属・トビ属の八属一五種といわれている。このうち鷹狩りに使用されるのは、ハイタカ属のオオタカ・ハイタカ・ツミが多く、この地方で捕獲される鷹は、ハイタカ・ツミが主である。
鷂(はいたか)は、オオタカの成鳥に似ているが、二まわりも小さい。雄は雌よりもさらに一まわり以上小さく、成鳥は上面が灰青色で、下面には赤さびの横じまがあり、雄雌まったく別のように見える。このため昔の人は雄雌別種と思い、雄を「コノリ」、雌を「ハイタカ」と名づけていた。しかし、今日の標準和名はハイタカになっている。雀鷂(つみ)は、日本産の鷹としては最も小さい。ハイタカに似ているが、ハイタカより一まわり小さく、雄成鳥の下面には横じまが少ない。また、幼鳥の下面は、かっ色の縦じまとなっていて、雌雄・幼鳥はそれぞれ別種のように見えるので、昔は雌を「ツミ」、雄を「エッサイ」(悦哉・省〓)と呼んでいたが、標準和名はムチである。
鷹狩りに使用される鷹は、一般に雌鷹であった。それは雌は雄より狩りにたけているといわれ、従ってハイタカとツミが重宝がられた。