旅人の病気死亡取扱

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旅の途中で旅人が病気死亡等の事故にあった場合には、宿々で丁寧に薬等を用いさせ、その者の国所親類、縁者等委細に書きつけて、早々に宿継ぎにて道中奉行へ注進し、その上指図を受けることになっていた。もし指図のないうちに病気がなおり独り旅が出来るようになればその本人の心次第何処へなりとも出発させてよい。そうなった時は、その出発の折その宿に証文として親類縁者国所を書付けさせ早速宿継ぎにて差出させよ、また病人が指図のないうちに死んでしまえば、代官所では手代、私領にてはそこの役人を招いて問屋・年寄が立会い、死骸を相改めその上で埋葬、携帯品等は書付けて代官か役人から道中奉行へ報告することにした(古来入用書付留帳)。この「生類憐み旅人の病気死亡取扱の触」は、元禄元年(一六八八)一〇月九日道中奉行より出されたもので、その後元禄二年(一六八九)三月二三日には、この通達についてさらに補足説明、取扱いに具体的な日時等を示し徹底をはかっている。