中津川宿には、継立や休泊を円滑に行うために、二名の問屋と三~五名の年寄[Ⅵ-100表参照]、それに、問屋・年寄の下役として、帳付、馬指(差)、人足指(差)、定使の実務を担当する者がいた。本章これまでの項で継立や休泊の実際を記述してきたが、ここで問屋・年寄の職務をまとめると、問屋は公私の人馬継立や休泊に関係する宿駅の任務を掌握することと、宿内で起きた不測の事態の全責任を負うことであり、年寄は問屋の補佐をし、問屋が不在のときは、宿を代表し公的な仕事を一切まかされた。したがって問屋と同格の取扱いを受けていた。この他に年寄の職務として、宿内の取締り、往還の掃除や宿内の見分などがあり、年寄の任務は多岐多様にわたっている。