触から出勤まで

1345 ~ 1347 / 1729ページ
助郷出勤触の発行から実際に助郷として宿へ詰めるまでの時間について、千旦林村枝村中新井村(久々利方分)に到着した触をあげてみよう。
 
       覚
〓  一人足壱人半
  右の通り明一九日朝正六ッ時落合宿迠御詰させ可被下候  以上
               千旦林印
   四月十八日
  下久々利方御組当番へ
                  (Ⅵ-116表4番資料)

  一馬半疋
  右之通り今廿一日昼九ッ時中津川迠御差出可被成候
   九月廿一日        当番
  下久々利方
                  (Ⅵ-116表12番資料)
         覚
〓 一人足三人
  右此状着次第中津川御差出可被下候  以上
    九月廿日
   中新井         当番 印
     久々利方へ      (Ⅵ-116表11番資料)
 
 ここにあげたのは千旦林村当番庄屋より中新井村の庄屋へ助郷差出しを依頼したものであるから、この前の段階として、宿から千旦林村庄屋への触があるけれども、出勤する百姓へ実際に触が届いた日時は分からないので、それに近い日時をあらわしているものとしてとりあげた。触の一六例はⅥ-116表のようであり、そのなかより三例を前記した。

Ⅵ-116 中新井へ到着した助郷触にみる日時

 まとめていえば、次の三つの場合があげられよう。
 ① 前日以前に通知がきている場合
   二条御番・日光例幣使のように、あらかじめわかっている大通行と、前日に通知して翌朝又は夕方出勤のものがある。こゝには後者の例を多くあげた。
 ② あらかじめ予想はしているだろうが、その日に通知して、昼又は暮に出勤を求められている場合。Ⅵ-116表では7・8・9・12・13・14がこれにあたる。
 ③ 至急の出勤を通知している場合
  「只今」とか、「此状着次第」と記して要請しているもので、千旦林村の場合は人足出勤の至急要請が多いようである。