秋葉道

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中山道筋道之記(寛政元年)によると、「[遠州秋葉岩村城下]道 常夜燈之者往還ゟ上り左之方へ入 中津川宿端ゟ此所迠壱里廿三丁拾壱間 但此所ゟ秋葉へ三十里岩村城下江四里-」
 また、中山道宿村大概帳によれば、
 「右間之村々之内 茄子川村往還左之方ニ遠州秋葉山江之道筋有之 其外村々ゟ隣村又ハ田畑耕地江出る小道有之共 重立候筋道なし 遠州秋葉山江茄子川村ゟ凡弐拾八里-」
とある。
 茄子川の篠原の辻に「是よりあき者みち」と記した安永五丙申年(一七七六)の秋葉燈籠がある。そこから念仏塚の南を通って(右いわむらみち寛保二年の道標あり)塞の神の東を抜けて、白坂(東野)へ出、浜井場で大井宿からの岩村街道に合する。浜井場には「秋葉大権現 享和元龍舎辛酉一一月一六日」と刻む大燈籠が建ち、その傍に「是より左大井京みち 従是右ハきそ道 享保一三戊申年」の角柱の道標が並んでいる。浜井場をぬけ、飯沼の神明神社、子安観音の前へ出る。赤坂を過ぎ橋場で阿木川を渡り田中を通る。土田を過ぎて久須田川を越し打杭峠にかかる。
 富田へ入ると大きな燈籠があり「秋葉大権現 天保一三壬寅年」の文字がある。岩村城下へ入ると道筋はせまく家並も古い。ここ迄は、秋葉道のほか岩村道、城下道、殿様道の名で呼ばれた。秋葉道は更に南へ延びて天龍川南の秋葉山へ至る道である。

Ⅵ-155 秋葉みち燈籠


Ⅵ-156 いわむらみち道標

 往返略図(弘化三年・道中雑記)による秋葉道の道筋は、岩村から上村へ出ると、上村からは三河回りと信濃回りの二路がある。両路は左図のような径路を辿り犀川で一緒になって天龍川を越え、秋葉山に至っている(第八節行旅参照)。

Ⅵ-157 秋葉道(往返略図)