中津川の歌道

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和歌文献として最も古いものは、苗木城主遠山友壽(ともひさ)がその子友詳(ともよし)(友禄(ともよし))に宛てた文政一三年(一八三〇)の書信の一首であり、歌会の最古は天保六年(一八三五)遠山友詳の記録した江戸屋敷の歌会である。中津川宿における歌会の始めは天保一三年(一八四二)市岡殷政の日新亭雅会であるが、歌会が恒常化するのは弘化二年(一八四五)以降で、それも文献が一、二件にすぎず、出席者名や場所など確認すべき術がない。ただし、後出のⅦ-39表でわかるように和歌と俳諧は不即不離の関係にあったものの如く、会場、氏名とも俳諧のそれと一致するものが少なくない。