哥仙行
ともに見し花をは今年手向とハ 友左宗師
いくはくの恩したひ弔ふ春 嘯 和
陸よりも船路は水の和らきて 巴 文
音たちもせす風のそよ/\ 璃 友 (下略)
七句目の月の句を湖友、一七句目の花の句を右狂、最後の揚げ花を素涼が巻きそのほかの人々は、素蘭・茶好・兎乙・魯洲・巴孝・東烏・柳甫・至交・巴鳰・錦河・琴之・倭通・可樵・霞悠・由甫・一桴・裏兮・三寄・廬仙・里鶯・豊路・聴古・霍翅・霞柳・廬玉・裏寛・文兮・松巴・左逸ら互融坊を慕う俳人たちである。風兆は江戸から書信を送っている。 (前書略)
指折れは思もてらせ弥生空 白鶴樓主雅公
名はかり薫る花の営ミ 琴和坊
笑ふ山/\も芳野のつゝきにて 友左坊
その他文通一五句、巻末は<育られし花のミならす恩の手向 花岳庵嘯和>と結び、別号十回庵(とかへりあん)の因である香道、黄熟香(こうじゅくこう)の十返しを披露し精進料理で閉会している。
Ⅶ-22 花の手向(県立図書館蔵)
育られし花のミならす恩の手向 花岳庵嘯和>