Ⅶ-55 中津川宿本陣受領の公家・武家の和歌の類別表
庭田宰相中将君やとらせ給ひけるに花にそへて
我山のしら玉椿たをりけり八千世かはらぬ君かためとて (殷政)
御返し 我為に手折こころの玉椿色香をあたに見て過へき 重胤 (丁巳詠草)
増田君(飛驒郡代)のやとりて、 むら雨のをり衣なる夕暮に心ありけのほとときす哉 とあるかへしに、
君まちて初ねやもらす昨日まて我またきかぬ山ほとときす
また 心あるみののを山の杜鵑このゆふくれをすこささらなん と遊はしたる。政治も先に 常ならぬゆふべをまちて杜宇をりよくもねをふりいてにけり となんこたへけらし (戊午詠草)
Ⅶ-56 庭田宰相軸(市岡正兄氏蔵)