目次
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第五編 近世(二) -関ヶ原戦から明治維新まで-
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第九章 幕末の中津川
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第四節 苗木領政の動揺と改革
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一 財政の窮迫
藩札の発行
1700 ~ 1700 / 1729ページ
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御用達金の徴収にも苗木のように小領では限度がある。そこで元治元年(一八六四)御用達の発案で幕府の許可も得ないで、御用達数名が各別々の預り切手の金二両・一両・二分・一分・二朱の五種類を発行し、さらに慶応二年(一八六六)には金二分・二朱の二種類を発行して領内に通用させた。
藩札は肉筆で通用期限内での引換を原則として実施していたので、他領にみるような物価に大きな混乱はなかったようである。しかしそれでも明治三年(一八七〇)二月には、なお七〇〇〇両が残っていた(岐阜県史・通史編近世上)。
Ⅸ-10 苗木藩札(尾沢家所蔵)