人材登用

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職制改革と人材抜擢(ばってき)による思い切った人事刷新によって苗木領は旧幕体制から脱皮し新体制を確立していくこととなる。
 特に領政の重職にあった給人格が大きく後退し、これにかわって旧中小姓格の抬頭が目立つことである。この象徴的な例が前にも少しふれたが青山直道の大参事起用である。
 青山直道の父は景通で、景通は国学を通し新政府内の高官との知りあいもあり、こうした立場にあったので苗木領の浮沈をかけた政治問題を難なく処理した功績は大きかった。及ち苗木領と政府とのパイプ役を果したことになる。こうした父を持った直通であることが登用に幸いしたとも考えられる。
 その直道は慶応二年(一八六六)では刀番で切符金一五両二人扶持であったが、第一次改革で参政に、第二次改革では大参事に抜擢された。その青山直道がどのような政策をとり新政治にどう対応していったか。