職制

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寛文一一年(一六七一)の「苗木藩分限帳」[苗木藩政史研究 四三]に記載されている職制名を記載順に表示してみると、
表4 寛文11年の職制表
  職名  員数
城代 1
家老 3
近習用人 2
用人 2
弓頭 1
鉄炮頭 2
長柄 1
郡奉行 2
大目付 3
奥家老 1
役人(寄合) 9
隠居衆 7
中小姓頭 1
近習小姓頭 1
中小姓目付 1
納戸 2
馬乗 1
金奉行 2
勘定頭 3
近習 2
小姓衆 10
中小姓衆 14
代官衆 6
祐筆 2
江戸下屋敷預り 1
扶持渡 1
鉄炮屋 2
普請奉行 5
茶道 8
徒士 34
料理人 4

 この表に示されるものは士分格以上の役職制である。表中「城代」から「役人(寄合)」まで合計二七人が給人で、次の「隠居衆」は給人を退役した者である。給人が占める役職は、城代・家老・近習用人・弓頭・鉄炮頭・長柄・郡奉行・大目付など、軍事的にも行政的にも中核的な役職で、「代官衆」など地方支配は徒士格の者が任用されている。まだ寛文期の職制では、行政面において未分化の状態にある。これが享保期の「諸士分限帳」(遠山健彦氏蔵)によると、弓頭・鉄砲頭・長柄など軍事的な役職の「武頭」のかわりに台所役人・宗門奉行・鉄砲改め・供頭・紙奉行・荒物奉行などが新たに設けられ、ついで、山方・林方・仕法方などの職名が登場するようになって、元禄期には最終的な藩政の確立を見ることができる。