中・下級家臣とその俸禄

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中・下級家臣は、一定の身分・格式をもち、その格式にみあった軍事、民政それぞれの職務を分掌し、その地位に応じて「切米(きりまい)」「扶持米(ふちまい)」「金切符(かねきっぷ)」などの名目で蔵米や給金が支給された。
 ▲ 切米…中級家臣に支給される給料で、切米一〇石というのは、年間一〇石の現米を支給される。
   扶持米…下級家臣に支給される米のことで、一人扶持・二人扶持などと呼ばれた。一人扶持とは、一人一日五合の食糧を標準として年間一石八斗を支給される。
   金切符…最下級に位置する女中・小者などに与えられた給金
 この場合「八石二人扶持」とは、切米八石と二人扶持が併用支給されることである。村方に最もかかわりの深かった地方代官の給与は、九石三人扶持から五石二人扶持程度であった。苗木藩における俸禄支給は表5で見るとおり、その支給高が極めて低く、支給方法についても「切米」「扶持米」「金切符」が併用され、他藩と若干の相違がみられた。
(表)表5 中・下級家臣の俸禄
年号 正保2年 寛文4年 享保7年
階層 最高 最低 最高 最低 最高 最低
中小姓徒士 11石2人 3石2人 10石3人 1分1人 10石3人 1分1人
足  軽 5石2人 1両 5石2人 1両2分2人 5石2人 1両2人
中  間 4石5斗 1両1分2朱 5石1人 1両3分1人 5石1人 1両3分1人
下  男 3石 2石 2石1人 1石8斗1人 2石1人 1石8斗1人

註 11石2人は11石と2人扶持、1分1人は切符金1分と1人扶持