苗木藩の村普請の労役としては、次のようなものがあった。
○御蔵番 郷倉に年貢米を詰めたときの番人足=本百姓・水呑共全戸の輪番で、昼夜交替に出役
○御立山番 村役人を除く全戸が当番制で村預りの御立山見廻りに出役
○宗門改・中勘定の役人廻村の際、役人の送迎・荷物運搬など=本百姓で交替出役
これらの村役はいずれも無給の労役奉仕であった。このほかに、本百姓は年間三日、無高百姓は年間一日の「庄屋手間」という労力提供をした。これは庄屋田の草刈りや耕作などを手伝うもので、一日五〇文ずつの手当を支給することになっていた。 そのほか、寺役=檀家は年間一日、無高の檀家は年間半日の勤労奉仕、臨時の村役を全戸に課することがしばしばおこなわれた。