〔道路〕

108 ~ 108 / 126ページ
 「みち」は集落から他の集落へ通ずる生活物資の交易・交換のために自然発生的にうまれてきたものであり、この地域では尾根づたい・峠ごえ・山すそ・川沿いなどの道が次第に発達した。近世になると村の道には特に、二つの重要な幹線が生まれてきた。一つは、物質の移出入・交易を主とした産業用の「黒瀬街道」「黒瀬道」であり、いま一つは、物質の移出入に加え、政治的・行政面で往来さかんとなった「飛騨街道」「苗木道」である。もっとも「苗木道」という場合は領内各村から苗木の城下町へ通ずる道で、特定の道ではなく「二つの街道」とも重複する道路でもあるわけである。

正保国絵図(県史)より