百姓・町人は宗門改帳に記載されて改めを受けたが、士分以上の者は各自ごとに宗門改一札を支配頭に差出した。宗門自分一札御免は庄屋・宿役人が藩の御用金調達をはじめ、新田開発・治水・公共事業などの面ですぐれた業績を挙げた有力者に特免される士分待遇の格式である。尾張藩が元禄年中から制度化した宗門自分一札は、特定の個人に免許される苗字・帯刀御免より一段上の格式であった。一代限りの免許が普通であった。裏木曽三ヵ村の庄屋はこの特典を受けることが多く、宗門自分一札の免状、一札が残されている。木曽の村々ではこのことに触れたものがなく、免状も一札も見当らないので、これに該当する者があったかどうか定かでない。