庄屋は一村一名が普通であるが、一村に二名またはそれ以上の庄屋が置かれる所もあった。このような複数の庄屋は、一村に知行主(領主)が二人以上あり、または朱印地(寺社領)などがある場合は、年貢の収納先が異なるからそれぞれの庄屋がおかれることになる。また大村である場合は、一人では手が回りかねるということもあるので、複数の庄屋がおかれることもあった。これを相庄屋という。木曽谷中では、奈川・藪原・菅・黒川・末川・西野・岩郷・山口・湯舟沢村の九ヵ村に二名の庄屋がおかれていた。このうち藪原村では宿と在郷に一名ずつおかれていた。また幕末ころには、上田・黒沢・福島村などに二名の庄屋がおかれていた。