山口村の享保度林

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山口村では享保九年一一月一三日付で、前述の山村役所の百姓控林の申し渡し書をうけて、『山口村百姓持林帳』(山口村教育委員会蔵)を提出している。この帳には四七ヵ所の控林場所と控主が記載されている。帳は一段の横書であるが、便宜上二段書にして掲げると次のとおりである。
(表)
 右林の儀百姓中面々控野畔に少々宛相立ち候所々相
 改め書き付け指上け申候以上
  享保九年辰十一月十三日
             山口村庄屋
                  半三郎
                  藤十郎
  福島御奉行所様

山口村百姓持林帳(山口村役場蔵)

 明治六年に発せられた地租改正の施行によって官林・民有林の区別がなされた際、享保度林は民有林とされ、個人所有が認められた。同七年山口村から筑摩県に提出した「信濃国筑摩郡山口村山林一覧表」によると、「私林」の部に享保度林としてその反別、立木数の調が、次のように記載されている。
 一享保度林 四十七ケ所
   反別 四十二町二反八畝八歩
   立木数 雑木 一万八千二百四十八本 但枝下二尺より四間半まで
                      目通り廻り一尺より八尺まで
 右の書き上げからみると、享保度林の一か所の面積平均は八反九畝余歩になる。