戊辰日記 五月四之巻

戊辰日記 五月 四之巻[目録]


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<翻 刻>
 
管理番号 七三
 
中山道史料番号 補遺七〇二
 
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戊辰日記 五月 四之巻
 
           花押
 
 
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     東遊記
 旅中五戒 橘南淡
渡海 馮河 夜行 異食
賤妓
 
 
五月朔日 晴 午時より雨
青山水野同伴西川を訪
未はかり勝野小七兵衛を伴ひ
師家へ行 夕かた権翁を訪
夜師岡氏来 秋月附紙を見
二日 晴 午前より雨
権翁を訪石神同伴
太政官仮建弁事役所へ行
辰刻より巳刻迄一時之外御用
御取扱無之ニ付帰る留守中
高洲藩小枝氏松岡を訪う
池村たせ子同席酒宴中
青柳建之助 宮和田勇太郎
 
 
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来 談話 西川は隙あり頓而(やがて)師岡
く(来)
三日 晴 昼後雨
早朝 弁事役所へ行 用向不採通
 太政官ハ二条城之所廿二日後
 御所へ御引移頓而御役所ハ
 御所中也
白川殿を伺ふ昼後青山氏来
四日 雨 早朝弁事役所へ建白
光太郎初節句心祝ひす
師岡 池村 原 久保田 石神 前嶋
松岡 たせ子客来也
五日 風雨
行へき所へも不行
萩原邦彦 西野又太郎く(来)
 
六日 風 雨
今日休日松岡氏円山へ行
高須留守井 荒川 孫二
く千賀助作く萩原に逢て
双方如夢此日たせ池亀へ行
岡 建部 宮田 池等ニ被招也
西野昼前より来
午後中川万兵衛鈴木利左エ門
利兵衛く有酒細久手吉右衛門
来て帰 原氏昨日より平臥
夕かた 久保田局へ移
七日 晴 夕かたより雨
白川殿出勤 西川氏麩屋丁を訪
留守中師岡 権田 飯田 中川く
 
 
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八日 雨
三条小橋ニ宿々役人止宿を訪
九日 晴
鵜沼宿郷とも落合迄三拾四人
民政役所[二城西南 元西役所]へ御呼出しニ付
参ル 助郷村々御帳面御渡しニ相成
夕かた 石神師岡原久保田く
夜芸妓六人を引て高須
留守居 荒川氏来泊五更
千賀氏人を尋て不逢帰宿ハ
門〆ニて通行不相成趣ニて
来泊 萩原氏ハ過日より
滞留 師岡氏とも泊客十人
夜具大ニ不足なり呵々
 
十日晴
朝 建部 宮和田 野城来
師岡と 談示有酒渡河
酔中如小児 夕かた権翁来
十一日 雨
朝権田を訪 帰路柎下を訪
出雲人 千賀在 酒中又弐人
来 [午はより 夕かた]平戸冨士四郎
来夕かた建部く夜ニ入
いけむらを訪密話アり
水野但馬四日出牢より初而
面会奇談アり
十二日雨  洪水
未はかり 青山氏徴士を賀して
 
 
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旅宿
 建仁寺丁妙順寺を訪 松岡嘉之助
 たせ子 池村 勝野同伴 夜五ツ時帰
 十三日 雨 洪水   夜晴
小川清七く 今日津和野百日暇ニ而
京都出立 中川く 高浜荒川師岡
一泊  岩佐く
十四日 雨 洪水   夜晴
岩佐弟子く 平臥
十五日 雨 昼後晴
津山 小原 餘之助く 青山氏
長谷川く
けふはみつ子が玉祭せんと人々尓
つけけるが雨続 て又ノ延日青山氏
ハ 猶訪来て
 
 月前憂懐旧  通(景道)
なかめつヽ人のむかしをしのふ間尓
はかなくしらむ夏(の)夜(の)月
おのれも
つく/\とむかし志のヘハさミたれの
雲のたえ間の月も淋しき
賀茂川のきしのやどりにおもひふと
ミしよの月ハめくり来にけり
十六日、晴  夕かた小雨
宇佐美 池村 岩佐 同門人
千賀泊 荒川泊く
師岡午前く
十七日 晴  月よし
宿々役人中旅宿三条川尓正覚寺
を訪 混雑いふへからす
 
 
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武藤 若狭尋て 留守中
林相模守 澄川景内なと来
しよし月夜帰宅 師岡
来て たせ子と対酌月よし
十八日雨
宮和田 建部ハ阿波侯と行く
関東 宇佐美ハ独り東行 野城ハ
大原卿の御供にて笠笠(ママ)行
右為餞別池久より野亀ニ而
一盃相催し候ニ付師岡 たせ
なとヽ同席ニ至 未はかり
池むら同伴 丸山へ行
宿助郷大会也
 
十九日 雨
午後 出石貢士 桜井熊市か寓
にて酒のむ [作州貢士 小原] 松岡 丹波あやめ
貢士志賀律三郎同席
廿日 晴 又降 夕たち[江戸大変 飛脚来]
白川殿 勤仕 神葬祭ヲ談
廿一日 晴   夕たち
いせ久ニ而 勝野 中川会ス
深谷事森内脇ニ逢
廿二日 青天 晴
弁事役所へ行 葬祭願也
伯殿勤仕 青山来 此朝
江戸戦争廻文を見 夕かた
師家ニて酒のめり
 
 
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廿三日 晴
朝 藤四郎か寓居 木屋町
大村留守居方ヲ訪 深谷氏
伝言 有 松五僧其外来人
あり 午後
廿四日 晴
勝野父子尓下女かこつけて国に
やる 午過る頃より中川と共
二条川原 太物屋ニ尾張殿人桑原
氏をとひ 師家に参り後大原殿
を伺ひて夕かた宿尓酒のむ
廿五日 晴
楠公の御祭を
朝廷にて加茂川の辺尓おこなは
せ玉ふ尓手向奉る
 
仰(あおぐ)にな(名)かけすくちせす真心の
こりてなりたる石くすの神
午後白川殿ニ行
廿六日 晴
伯殿出勤 未はかり師家より
被招 松田留守居  清
西川 西村 石神 池村母子 たせこ
倉沢 自分夫婦
廿七日 晴 [石神同伴福羽を訪 不逢]
同殿勤 未はかり西川来 頓而(やがて)
青山 師岡く(来)
廿八日 晴 亡父玉祭
 
 
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廿九日 晴
伯殿 議論あり
朝宿役人を訪 発足一日
延引と云
晦日 晴
朝 師家へ行 たせこ同伴
伯家出勤 議論あり
竹屋殿御同席
六月朔日 晴
下加茂参詣 藤四郎 たせこ
同伴 深尾氏を花山院殿
別荘ニ訪 下坂留主中
 
不遇 水辺ニ休中川氏来
舟ニのりて下ル■■
夜西川氏を訪 原同伴
二日 晴   北山夕方より雨
六角柳枝軒ニ書物を求
昼後師岡く夜
二入て帰 千賀く西川より珍
書く 池むらく
三日 晴 朝より大暑
千賀発足 大原卿 今日
御下向のよし
五条殿内三木(伊予西城廿才)川原町三条下
所ニて昨夜意趣切とてきられ
たり 今暁未死 川正ニ養生
 
 
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沢殿 三木左蔵 河野 遠江 親
類 敵ハ三人壱人ハ識面也
丁ちん定紋苗字等有
未はかり藤氏来云
久留米藩士関東戦士へ
食を送らんとして亀山ニ至
所 ぬまつ小田原弥朝敵ニ
組し江戸往来継立不致
趣慥ニキヽ込無余儀帰京
閑談夕景ニ及暮て池村
今日上賀茂競馬堺人夢の談
四日 晴 朝より大暑
小田(原)落城風聞
 
師岡上座敷へ移りし祝とて
川ばた尓て酒のむ 原久保田
前島一局不残来
肥後人朝比広弟藤四郎く(来)
五日 晴   夜雨
薩摩藩侯人数を引卒して
東下之噂人数追々発足登
[又 薩人]関東より早打く侯不発
此日小児病大切[弁事御役所より 七日召状到来]
六日 暁夜雨七ツ半頃小児死
親しきかき限りとひ来て
後のいとなミス 夕かた自
葬式ニて紫野上の山ニ埋葬
いさゐ別記に有
 
 
10     原本へ



かたミにと見しなてしこもちりにけり
なにゝかそへて人はしのばん
七日 雨 午より止
寺町着
紫野上野山の墓ニ詣頃雨
しきり尓ふる同村久兵衛か宅
にて安らひ大徳寺一見
同伴人たに 民五郎 たせこ
下女此日
弁事御役所ニて神葬祭
御免許相成し所忌中ニ
付越後いとひ川小川清七
名代として非蔵人口へ差遺
之所大原左馬頭殿御手
渡しニて御付紙頂載
原金吾 前島虎作同様
 
八日 晴
紫野上の山ニ詣六尺四方
の小塚を築 たに つき同伴
此日師岡太政官刑法試補雇官ニ成
九日 晴
朝薩侯発足人々
あやしむ
夕かたより 小児忌明振
舞として人々相招
外に風来 藤四郎土州明神仲三郎
十日 晴   夕たち
朝師岡母江戸にて死去之よし
 
 
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悔ニ行 今日一日休足
十一日 晴
早朝青山氏をとふ今日歌会
矢野 柎下 巣内 青山 師岡
古川 青柳 原 久保田 たせ
松岡 中川 菅川 権田代人
飯田池邦
十二日 晴
女共同伴墓参
十三日 晴
中暑
 
十四日 晴
いけむら 吾を招くニ不行
十五日 晴 夕たち
十六日 晴 夕たち
師岡 久保田女共同伴墓
参建碑
十七日 晴 大原卿帰京
諸々礼ニ廻る夕かた
池村にて青柳に談
十八日 晴
野城と別盃 師岡宅ニて
 
 
12     原本へ



十九日 晴
小児 二七日妻 乳母墓参
親疎人々いとま乞ニく
廿日 晴
妻下女弐人 原 倉沢 前嶋
出たつ白河はし迄送りて
哥もなくわかる
知恩院古門前ニ坪内母子を
とふ
廿一日 晴 夕かた雨
平松甲斐権介殿駿 遠山より
御帰京 三国裁判所へ御越之所
御散財ニ付御免云々苗木人
 
西野同伴朝より米山旅宿
廿三日 をとふ北軍御供周旋
也 夕かた西野く同伴
青山氏を訪て西野と
離盃を汲
廿二日 半晴
中川出立いとま乞にく折
ふし古川野城東下とて
離盃を催さんと云中川
をひとりおきてたせと
師岡か家尓ゆく中川いと
すげなしとやおもうらん
うし 夕かた青山同伴
 
 
13     原本へ



沢主水正殿ニ拝謁後
平田先生を訪 夜ニ入
西川く たせ同伴酒あり
廿三日 晴
長松大病送者周旋
びんこや久兵衛を訪ニ不逢
此日長侯帰国発足 古川
野城高瀬舟ニて下向
稲葉五六郎京都府え転スト云
廿四日 晴
岩村留守居丹羽瀬柳く
夜小川宇助亭へ行川野
松屋 いせ久同席
 
廿五日 曇
師岡くたせ子同伴錦
天満宮へ詣
廿六日 晴
三太郎三七日
 偲 三太郎歌
かなし子の三都雄うまねは
うつしよ尓父はあれども
皇軍のミともにたてハ
秧(なえ)の実の父ともしらす
かくり世尓母ハあれとも
其神の御許にあれハ
はヽそはの母ともしらす
たつきなくさちなきか上尓
天津日の光もミへす
 
 
14     原本へ



てる月の影たもしらす
草つヽミ病てなやめは
かなしこをかくておかしと
玉のこと手にとりまきもちて
衣のこと身にとりそへて
ワかすめる里をさかり
ぬる刺ミやこにのほり
医師てふくすすしをまきて
くすしれと神ハまさぬか
ましなへと神はあらぬか
神すきのしるしもミへす
水無月の六日の日の
かたわれの月と共にそ
雲かくりぬる
 
此よ稲橋金六御親兵云々之
談あり東行をとヽむれと
不聞
廿七日 晴 夕がた雨
条山四大人再願として
弁事御役所へ行
此日権田翁泊
廿八日 晴 昨夜雨余波あり
非蔵人口へ出頭可有之旨
御沙汰ニ付民五郎同伴
御済口御附紙頂戴
大学官九条殿御座敷
拝見五条殿西川亭
 
 
15     原本へ



師家を訪て夕がたより
出願成就のいはひ師岡
久保田 権田 たせ同酌
廿九日 晴
伊勢人山田大路に師岡寓
居にて逢
坂木下枝より使者く
此日たせ近藤理三郎殿
餞別として大徳寺へ行
森内様エは深尾源次
夕七ツ頃木屋町いけ庄と柏亭
との間にて被斬相人ハ
三人抜連の所見し者あり直に
三条之方へ行方不知
 
七月朔日 晴
米川氏一昨夜帰京と聞青柳久保田
同伴尓て行酒あり夕方師岡

二日 晴 夕だち
松岡氏刑法試補ニ転す
権田小原丹羽瀬く夜ニ入
酒あり
三日 晴
時又下田く
四日 晴
三太郎四七日さわる事あり不参
近藤治部く
五日 晴 小雨
三太郎墓参古川氏をとふ
 
 
16     原本へ



白川殿 吉田殿関東御役所
御引上役人帰京被仰出候
旨にて老人当惑之談
あり樹下行いせ鎮座
の一件也此夜池村ニ泊
六日 小雨 曇日
朝平田先生を伺古川氏一件
矢野氏 岩倉八千代丸殿
三月廿七日帰京之賀ニ行
古川西川など問て帰
肥後人佐伯く
青柳氏花紅葉のかた
あるた尓さくに歌よみそへ
よと云けれハ
 
春は花 秋はもみぢのいでましを
君かま尓/\なすよしもかな
七日 天気よし
米川 青柳 五島 新岡
かはる/\く落合源一郎
母きたりて明日なん
かへらんといふ尓
     折ことほきして
立かへる時もあらんと加茂川の
なみ尓たもとをぬらし
こそすれ
かへり路は母のこえゆく笹子山
かりのわかれも露やおくらん
 
 
17     原本へ



八日 晴 無事
九日 晴
午半ばかり長友死青山く
十日 晴
長友が遺骸を中山に送
夕かた加茂川にミそきして
生すニ酒食
十一日 晴
きのふけふ戦死の人々の
御霊祭を操練場尓て
 
行なはせ玉ふ尓
勅御祭をいかに嬉しと畏し
と百千の玉の御饗うくらん
此日薩州新岡一郎左エ門同伴
十二日 晴
権田翁く青山氏同道
借家見ニ行く
十三日 晴
十四日 晴
三太郎墓参 古川西川
いけむらを訪 深更帰
 
 
18     原本へ



十五日 雨
朝青山 師家 柎下を訪
 秋立ける日 翁を見るとふ
 事を人々よみける尓
今日よりは世尓すてらすヽ友垣と
秋し扇もむつはれ尓けり
十六日 晴   朝周藩河田く
閑院家内 竹原外記か家ニ
 付紙(子爵河田景与又河田左久馬といひし人也)
楠公の古像を拝見
此日青山 松岡氏を訪来
夕かた西川夫婦大文字山
を見尓く
此宿之役人御召ニより入京
之使く
 
十七日 朝 晴  深夜雨風
宿役人旅宿神泉苑前
吉田屋を訪 駅逓御役所
へ行追而御沙汰迄旅宿て
控候様被申渡
夕がた磯貝新左エ門同伴
帰 月よし千賀氏
笠松県権判事ニ登庸
なりとて
書状く
心さし千世もかはりそ広き
厚き恵ミかうふる笠松
県のもと
 
 
19     原本へ



十八日 大風雨 夜 最大風雨
庭瀬 榊く
十九日 晴
加茂川洪水有し尾崎八右エ門殿く
秋山七兵衛うけ致し祝
潮田新助横聞か姦
青山儀一尓同藩正
廿日 晴
駅逓御役所尓て御印章
御渡し成
此夜師岡氏亡母か玉祭
廿一日 晴
神泉苑吉田屋尓て手扣帳
村名引合 同家ニ泊
 
廿二日 晴
御役所行 上地 瀬戸 滝坂
渡夜中渡船願
廿三日 晴
師家磯貝新左衛門紹介
同断大塔宮御祭礼
うづもれし土の田の御いかりも
雲井尓はるゝ御祭そこれ
廿四日 晴
同断 青山氏移転見舞
廿五日 晴 夜地震
中道雲斉を訪逢はす
鼎在宅 青柳 たせ同伴
夕方 高台寺萩を見
廿六日 晴
荷田大人奥城を営んとて
 
 
20     原本へ



伏見稲荷に至
青山 米川 池芳 師岡
たせ 北善 手前 田中沖太郎
五条ニ至る時 青柳く
荷田氏ニ至る時若先生
馬ニてく
大仏 高台寺の萩えお
見る
廿七日 曇
浅間由来記を書
廿八日 晴
藤く
年ことになミたかはかぬ袖なから
ことしの秋のゆふくれの袖
 
廿九日 晴
師家へ行 磯貝 加納入門願
此夜師岡忌明 此日[原彦八郎殿 使者来]
松田内 并ニ同伴四人く
八月朔日 雨  二条拝見
原彦八郎殿を神泉苑吉
田屋に訪 小沢 新井 仁科 同宿
夜西川氏ニ至 千代丸様
御遊来 松岡 たせ 池村同席し
此夕方市岡正蔵実之助同伴く
二日 雨
市岡仮宅虎石町を訪 夜
松岡氏泊 師岡 市岡く
三日 曇
粟田口木の本町山本一郎宅寓
竹尾東一郎 三宅豊前に逢
夜いけむらニ行治市岡同席
 
 
21     原本へ



十郎之両人
四日 曇
森之助 卯助家内城之崎へ行
三条大宮迄送り 神泉苑ニ原氏
を訪 市岡同伴 夜松岡氏呼ぶ
五日 雨晴て又雨
池むらニ至 市岡と共尓泊
同人志願周旋なり
六日 晴
神田 権田 青柳 伊藤 池村く
夜師岡ニ至酒あり
七日 晴
朝師家を訪 池村尓周旋
して書物す 米川 西川
同席 酒そばあり
 
八日 晴
いけ村より国へ人をたヽす
小川通中立売ニ古川を訪
五条殿ニ権田を訪 中山殿
に大口を訪不逢青山ニ至
酒のみ帰
九日 晴
加茂下上 行幸を[加茂東橋詰 拝見す]
いと/\御軽弁之御行荘
葱華輦 供奉堂上方騎馬
越前 宇和島 戸田大和守
上加茂へ詣てかへるさ堤
上西川あり共に又拝見米川
の宅を訪て酒あり池村
に至斉藤貞之丞に逢酒あり
 
 
22     原本へ



いけむら泊
十日 晴
宅ニ而物書く 松岡と別杯
十一日 晴 昼後より雨
五条殿ニ権田ニ逢夕がた
可児郡根本村林庫之助
二千石大砲方頭取江戸より不帰
代官板崎庄左エ門憂て京師尓
あり付を求む西川ニ夜中
同伴す
十二日 雨
宅ニ而物かく箱入也
師岡理輔翁玉祭とて
同家へ行泊
 
十三日 晴
けふハ土公の祭日なれハ櫛け
つりゆあミして白山宮熊野宮
へ詣池村に駅逓の談ありて市岡
と共に泊
十四日 晴 昼後曇
池村氏同伴 岩倉殿へ行取次
西川甫 北島千太郎ニ逢
小川清七越後ニかへらんとて
離盃を催さんとて木屋町池(生)庄
ニ会す 白川二公子 松岡 松山一郎
杉本 小川 林某 法泉寺 たせ
外に両三人月くもりがちなれば
いつかまた
はれて逢ふへきかたミ尓
こよひの月ハくもりたりけん
十五日 雨
 
 
23     原本へ



権田 青柳 [武蔵国 江戸下谷][豊島郡 井上肥後来]
五条殿月見にきまさんといふ尓
家居庭なと清ら尓して侍ほと
に雨ふりいつ 師岡きて
雨中に月をまつ
 まどゐしてまつもかひなき月かけや
  あはたの山ハ雲さしのほる
十六日 雨ふる
太政官一六休日なれどとミの
御用ありとて松岡氏未明尓
出勤 午后賀陽宮芸州へ
御預ケ
(付紙)長沢誠
    横井兵へ与平四郎暗殺件
十七日 雨
長州 上田少蔵 山田 青柳 米川宗白
 
十八日 晴 月よし
御霊御祭礼西川へ招かれ 千代丸様
権翁井上正二郎たせ共に行後
権翁同伴五条殿行[師岡二階に来て 月を見る]
十九日 晴 月よし
井上肥後平野出張[土井 下総古賀]
裁判所水野八郎 使 藤七長沢一件
尓て たせ子尓尋問ありて来
廿日 曇
長州御小納戸尾崎半蔵く
夜さけのみて手習の書
きもの尓書つけたる
今さら尓うきよをしらぬ
山さとのむかし恋しき秋の夕暮
廿一日 晴
朝 師岡よりいせ屋へ行
午後国へ飛脚たつ
 
 
24     原本へ



此日関東御供の内沙汰
あり樹下矢野いけ村同
伴 夕かた池村
中島へ行
廿二日 曇
未明 池村へ行 共に聖護院
へ行 池村は中島己は矢野師家
多田家に宇田栗園を訪
三河屋を訪又宇田参 夜いけ村泊
廿三日 晴
市岡 実之助を尋て発足
いけ村ニ泊
廿四日 晴
松岡立治尾州敷より病気に付
帰る
 
廿五日 曇
廿六日 雨
肥田 勝野と
同く上京夕かた池村に酒
廿七日 晴
今日御召仰 松岡氏未明より
参 内 緒官休日 池村酒あり
肥田 勝野同伴夕かたより
中島行 池村泊 [此の日吉兵衛を 竹中へ同伴]
 
 
25     原本へ



廿八日 晴
朝中島行 己はかり肥田同伴
原彦八郎殿を神泉苑に訪
未頃木屋町東生州町師
岡仮り宅へ箏除に行
肥田勝野三九下僕手伝夕かた
酒のみ此家ニ泊
行幸
小原陳之助裏ニ而拝
廿九日 晴
二条橋詰生州町へ
移師岡氏寓居也
此日千賀松岡たせ
池村兄弟来
操練場 御行幸 山階山陵
丗日 晴
[後月輪山陵 行幸]
諸々買物 権翁新宅見舞にく
操練場行幸
(九月)二日 晴
馬風 三九良を尋て 宇田栗園
をとふ 此宅ハ東寺ニ王門前を
山崎街道を西へ行てかつら川
の下流をワたり久世村に休西
土川村尓いたる是は街道を左
ニをれて入口也かへるさハ
西六条をみて麩屋町に泊
三日 晴
鳩居堂ニ昼飯家ニかへりて物かく
四日 晴
明方しぐれ少し [大宮琴平宮 北野宮 平野宮]
 
 
26     原本へ



銀閣寺 今宮より紫の上の山
墓参平田庄吉郎殿熊之助殿
面会 寺町百万遍屋敷に松本
精庵を訪 不逢 木屋町田中を
訪不逢夕かた宮田綱一郎く
五日 天気よし
硯箱出来 腫物にて寒気有
臥飯田守人来
六日 晴
琴平の大神今出川の新宮尓
かへらせ玉ふ日なりとて詣つる
人々は社頭祝といふことをよめと
あるに かへり咲花の都尓しつまりて
七日 晴 御心ひらく新宮所
白峯神を拝んとて行肥田
 
勝野池村同伴 今出川宮ニ詣
一条室町に古川村上を訪五条殿
より午后帰夕かた小雨筧来
夜青山行不逢
八日 晴
早朝小雨 青山氏を訪云々
午后師家中島を訪
○今日改元明治
九日 晴 時雨
池村 西川 権翁を五条殿に訪
権田 井上同伴 岩倉へ行
大学官一件也
長人   に逢 榊に面後又
師家行 河東に両人とワかれ松岡
筧と行 米川 松岡 たせ 領
後 師岡来 満酔夜中帰
市に出てちよの齢もひさくらんうき世をしらぬ
菊の山人
 
 
27     原本へ



十日 曇
鳩居来 八ツ頃より榊宅尓
権翁 井上会 名和不来
十一日 晴
同じ家に会議 名和来
故大人霊祭 西川 千代丸殿 大口
十二日 雨  [師岡 宮和田 宮田 池村二人   たせ 外略]
大学官に権翁をまてど不来
米川安産祝儀ニ行
十三日 晴 月晴光
池村ニ而信 八幡 直栗仙十郎ニ
逢酒あり 頓而権翁 井上同
伴 大学官へ行 僕岩倉附
名和へ 書物持参
 
青柳いせより帰
十四日 晴  月晴光 朝権翁来
午后権翁 井上同伴 師家へ行
土州 明神仲三良ニ門前ニ而過刻
佐川に家来寓居一見の事
を談す見月 師岡 青柳 たせ
宮和田の論あり
十五日 晴
明神氏来 西川へ証持参
五条殿月見に来臨の噂あり
同殿へ行 殿ハ今日北野御詣也
夜藤四郎良く[秋月藩 高田脩平長府藩]
長四郎両人より 霊号頼之事
米川 明神くたせ月花清
明 此日宮和田へ行 過日
長崎より来 一昨日刑法官監
 
 
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察試補 属役ニ被召出 祝儀也
十六日 晴
青木斎宮[元尾藩徴士 刑法判官事試補]
を梶井宮門前に訪 落合源一良
青嶋能登を今出川通二条殿別館前に
問 古川を二条通新町ニ訪 白川殿へ参
千代丸末丸両公達ニ謁し寺町
丸太町辺に休 某店にて袴地を調へ
三河屋 鳩居 伊勢久入湯 三輪田氏
を姉小路に訪 夕方宮和田を高倉
二条上所ニ訪酒あり土藩
師岡 角田 菅 三輪田 青柳 たせ
芳之助 米川 七夜餅を貰ふ
十七日 曇