目次
/
新屋敷の子供歳時記
おゑびす様
43 ~ 43 / 55ページ
十一月二十日はおゑびす様です。鯛のお頭ならぬ鯖等のお頭付を供えて、おゑびす様の労をねぎらうのです。正月の二十日に働らきに出かけられたおゑびす様は、暮も近づいた今日、やっと帰って来られたわけです。近頃社会問題になっている「出稼ぎ」も、神様の世界には、遠い昔から有ったのです。
父親は、大きいけれど中味の薄っぺらな蟇口(昭和初期は、歴史に残る位の不景気時代でした)を、一升桝に入れて、お灯りと一緒に神棚に供えるのです。