半金さんの馬頭観世音㊱㉜㊶

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 中村南二-一八-三、中村金一さんの敷地内に、二基の馬頭観音があります。

 一基は、安政六年二月十五日に焼死した馬の爲に、明治四年に半蔵さん(金一さんの曽祖父)が建てたもので、とても立派な馬頭観音です。

 金一さんのお祖父さんが三才の時、中村家は火災に遭い、馬小屋にも火が付いてしまいました。早く馬を連れ出さねばなりません。しかし火を見た馬はおびえ続け、後退こそすれ、一歩も前に進もうとせず、とう/\焼死してしまいました。可愛想な馬の霊を葬う爲に建てたのです。

 昔から「馬小屋の入り口には、たち臼を置いとけ」と云われています。馬を小屋から引き出したい時、この臼を外に向けて転がすと、それにつられて馬も外に出て来ると云う事です。

 もう一基は、本家(金一さん宅)の馬を借りて働らいていた中村菊次郎さんが、あやまって馬を水路(今のマンホールの様なところ)に落してしまったのです。草茫々で危険箇所がわからなかったのです。馬車につながれたまゝ、頭から落ち込んだ馬をどうする事も出来ませんでした。哀れな馬の供養の爲に、この塔を建てたもので、文字が刻まれています。