1.明治7年4月12日

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御道中いかゝ哉、東京追々時かふ
相応相成りまいらせ候、
君ます/\御機嫌よく御勤戴候御事
有難/\/\存上奉りまいらせ候、左様
御座候へ、先達て仰越させられ候ろう
そく打こわし、改候所、大廿五本、小
五百五十挺御座候間、大不残内の小
弐百七十五挺充(ずつ)致置候間、此たん
申上置候、くれ/\も
君御機嫌よく、時かふの御障りも
あらせられす、御勇しく入せられ候哉、只々
夫のみ御あんし申上居候間、御委しく
御伺せ願上候、内も皆々ま事丈ふ
御座候間、御あんしん願候、私も至て
丈ふ、此節其内も心持よろしく、
当月へ入候て、別して丈ふ付候と
相見、いきおひ強相成り、ひどく
うごく、夜分なぞ打ふし居候程
うごく、いわひ(※1)申候ニハ、ま事よい御腹と
申くれ候、御あんしん/\被下候、御帰り
毎比(いつごろ)候哉、余り/\御おそく、御帰り
の夢計見居まいらせ候、ま事御留守番
計致居、心ほそく/\、いろ/\存直し、
御勤戴候御かけ様ニ而らく/\暮候御事、
有難/\/\、御留守番大切守り、
君の御丈ふ并御災難御のがれの様、
夫のみいのり/\まいらせ候、くれ/\も御左右
御委しく御伺せ願上まいらせ候、めてたくかしく
  なを/\めてたくかしく
   四月十二日発ス
 

※1 いわひ(岩井)…つげに付き添う産婆