5.明治7年4月27日

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君益御機嫌よく何の御障りも
あらせられす候御事と有難かりまいらせ候、
扨廿日出御書状戴候後、御便り不被下、
君の御心痛戴候、かげん等よろしからす(ず)、
且御宿所如何ヶ様行違候おそれ、
かた/\御無さた成、御利服(立腹)のだん
幾重も/\恐入/\、真平/\御めん
願上候、私事御膳等ま事おいしく戴居候所、
廿日出拝見後、いかゝ可致と存候へ、夫より
何もかもむねへ上り、ま事日々せつなく
御膳等戴かれ不申、 君よりヶ様成る
御書状戴候上私身なぞどふても宜、
只々昼夜心痛いたし、かぶり居まいらせ候、私
見不申と御申、人様御出被下候ゆへ、折々
おきて見候へ共、とふも気分わるく 御さつし
被下候、長々の御留守、昨今の私別して
心配いたし、しかしもふ程なく御帰り、
此様御帰り延候うへ、六月御内入せられ
戴候事と、夫のみ楽しみ、御留守番
守り居候所、ヶ様成心なき御書状、実
残念至極存候、私心中朝夕
神々様へ、夫(おっと)道中とふそ要事(悪事の誤記か)さい難病難
のかれます様と、御連の方付ても
祈々居候所、更/\届不申、何共/\
残念/\、私身居候へ共、心
君の御側へ参り居候事御座候、御留守宅
御心障り御出来と伺候上、私も大心配/\
わたくし身の事も一はい申上候間、
も御一はい仰戴度、私叶候事ヽ、
いか様共気を付、御留守番守り候間、とふそ/\
仰戴たく、ひとへ/\厚願上候、もはや
十七日出くわしく申上候儀も届候事と存上候、
わたくしも当月中比よりま事寝あせ
ひとく、前夜/\一時比よりふせられ不申ゆへか、
ま事昼気分わるく、夜中
君の事計御あんし申居続まいらせ候、
御道中いかゝ哉、東京昨廿六日おだんこ
程のひようふり、随分の大雷、ま事おそろしき
事、ヶ様成大きなひよう初て見候
御座候、何も/\御無さた申上候儀
幾重も恐入/\、御ゆるし願上候、とふそ/\
一時も御早く御帰りひとへ/\願上
奉り候、私もいろ/\山の様御相だん/\
御座候へ共、もふ御帰り/\と御待申上居まいらせ候、
何も/\御帰りのうへ万端御咄し申上、
御わひ(詫)等申上候御事御座候、とふそ/\
御かんべん遊、御書状戴たく、ひとへ/\
願上候、 君よりの御便りも両度ほと
川支(かわつかえ)六日・七日めの事も御座候間、十七日出も
左様か共存候へ共、御吟味の程願上候、
            めてたくかしく
  なを/\めてたくかしく
   四月廿七日九時比発ス
 
      用事
旦那様 申上    廿七日つけ
     人々御中