6.明治7年4月28日

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君ます/\御機嫌よく入せられ候
御事と、有難かり奉り候、扨十七日出より
度々御便り申上候所、今日迄も何等
御返事不被下、実何と申事候哉
昼夜当惑のみ致居まいらせ候、廿日出
の御書状ニ而ハ、何を思召候哉、とんと
存取方も御座なく、御便り遠に
いたし候所は重々恐入候へ共、夫も
度々申上候通りの事のみニ而
何と申上方もなく、只々気やみ
いたし、かぶり居まいらせ候、ヶ様御便り
不被下候うへは、よほと御腹立と被存、
当惑いたし候、左候うへ私身
取候て大へん存候間、一了間(了簡)で
居候事出来不申、左候て外何と
申上候事も御座なく、去なから御帰り
のうへわかると申て居候事も出来
不申ゆへ、是と申て常々申上候
通りの事ゆへ、外左様成事申、
相たんの所御座なくゆへ、永田様
御相たん願候哉と存候へ共、まづ
御便り御待申上、御腹中思召
の所を伺候うへと、見合居まいらせ候、
峯さん事、此程御返事御出しの後、
御認の御様子もなくゆへ、元より私より
御すゝめ申も不致、思召のなき御方
申上候とて かいもなく、私居ても立
てもいられ不申ゆへ、とふ致候ても
寝られ不申ゆへ、からだ計せつなく、
難義いたし候間、尤廿日出戴候後は
二階計とぢこもり居候、夜中
認御わかり兼、御はんし願上候、
何も御帰りのうへと存居候へ共、
是でたまり不申、昨日いわひ参り、
心配の事も存不申、御腹かけん
不宜、御熱御座なくと申て帰りまいらせ候、
ま事腹の中ひつくりかへし候
ニ而、一人ニ而くるしみ、廿日出後より
空を見候気もなく御さつし被下候、
用事のみ認候、
         めてたくかしく
  四月廿八日夜中
      三時比認
 
旦那様 申上     つけ
     人々いそき