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十一日出書留御書状、十三日当方よりも御便り
出し候後、二時頃
ニ着、有難/\/\拝見申上候、
君ます/\御機嫌よく入せられ候との
御事伺、ま事
ニ有難/\大々安心いたし候、
扨十一日出拝見、嬉しい共有難共何とも
申上られす、こんな
ニ思召て下さる
旦那様があるかと存、たまり不申、人目も
御座候間、雪隠
江かけ込候、心中御さつし被下候、
仰被遣候通り東京も御同様、もはや桜も
葉
ニ成り、御歌もよく/\拝見、ま事
ニ拝見
いたし候程御歌の通りに御座候、扨段々
御安事戴候御心中御細やか様
ニ仰戴き、
実を以有難/\/\/\存上奉り候、只今を以
きうに不廻りと仰越せられ、何と申事や、実
ニ 当惑いたし候、段々かんかへ候得
ハ、世間
ニハぶら/\
被成候御人も沢山、其代り内
ハ火の車、夫是
存候へ
ハ、私
ハかれ是申て
ハ済不申、君の御光り
計てヶ様
ニ人々
ニも立られ、又御留守
ニ而も
君の御光りてとふか成と存て居ませふと存、
直
ニ其心とこへか参り、御留守
ニ生れ候様成候
たら、とふ致そふと心細く成、たまり不申、又
是迄
ニ仰戴、君
ニも御安事被下候物
ヲ、ま事
ニ 致方なくと又存、小達
ハ来月十日過、いわひは
廿日過
ニも御成遊し候哉と申、ま事
ニ御身入
御宜ゆへ、御延
ニハ成ましくと申候、此うへ
ハ致方
なく、とふそきうに御早く廻り候様信心のミ
いたし候事
ニ御座候、何と仰戴候ても心細く
御座候、
一まくりの事、乳の事、うぶけの事、
いわひへ遣し物の事、赤飯其外料理
の事、私さん所
ニ居候事、もやうし
ニ 候
ハヽ岩井へ申遣し候事、宮参りの事、
一々御懇様
ニ仰戴候御事、実を以/\有難/\/\、
一々有難かしこまり、もし/\御帰り前
ニ 出産有之候
ハヽ、七夜
ニ小達と岩井を
呼可申哉、其節の御馳走
ハいかゝ致へくや、
此両人
ハ帯祝の節の様
ニ致さね
ハ成不申候
もの
ニ候哉、此段伺たく候、跡せわ
ニ成候人々へ
ハ わたくしもうごかれす、もし/\
君
ニも御留守
ニ候て
ハ、たべさせ候人なく
ゆへ、其所
ハよく/\断、君御帰りのうへにて
皆々へふるまひ可申と存居候、夫
ニ而宜哉、
是も御序
ニ御伺せ被下候、御出張御用中より
ヶ様
ニ仰戴候
ハ、海共山共有難/\/\存上奉り候、
もはや今日
ニも嶋崎御新造頼
ニ遣し
可申と存居候、永田・さとうよりも直
ニ参候
間、ゆふ(郵か)
ニ而申越候様申呉候へ共、何れも様子
の知れぬ御人計ゆへ、まつ/\目宛
ニ頼候は
嶋崎・安藤
ニ致置候つもり
ニ御座候、雇女の
事迄も仰戴、何共/\恐入/\候事
ニ御座候、
此程も石川の下女、切米当年の
ハ七両二分
とか申事承り、いそ事留候て少しも増すと
もしや存候哉なぞと存、御すか様御事昨年
七両なら猶更と御申の所ゆへ、気かつかぬ
よふ
ニ思われ候てもいかゝと存候まゝ御相たん
申上候、内で
ハ外の事が其様
ニ遊し戴御座
候間、宜筈なから世間ていわれ候事でも
御座候て
ハ、君の御気性と申残念ゆへ来年
ニ付二分もまし、七両
ニ遊し戴候て
ハいかゝ哉、
夫
ニ君御留守
ニ而私ま事
ニこまり、たひ/\
夜分なぞもおこし置候事も御座候へ共、
つい
ニわるい顔致候事もなくゆへ、かた/\御相談
願候、御帰りのうへ
ニ致可申哉伺候、
一岩井事申候
ニも、私さへ御早く参り候へ
ハ御請合
申候間、御安心/\と申くれ候事ゆへ、其時の
様子
ニ寄、仰の通り壱両
ニも致へく哉と
存、様子次第
ニいたし候事
ニ御座候、ま事
ニよき/\
御腹と申呉候間、御安心被下候、早くうみ落し
君
ニ御安心御させ申たく、夫のミ楽しみ、御帰り
ヲ 御待申上暮まいらせ候、男女の所
ハま事
ニ致方なく、
気をもみ候事
ハやめ
ニいたし、只々十人並
ヲ 願上居候、若々御帰り前
ニ出産候
ハヽ、いけ物(いけ花)の
方角
ハいかゝの物
ニ候哉、其時
ニ成被下候方
ニ御まかせ
申候て宜哉、夫是御留守
ニ而ま事
ニ心配いたし候、
一宮参り
ハせひ/\御帰りのうへ、衣類等
ハ 宜の沢山御座候間、あれ
ニ而沢山
ニ御座候、ふたんの
ゆかた皆北沢へ上ヶてしまい、只今
ニ成こまり居候、
君二月御立の節、ゆかた
ハ御帰りのうへ新方
ヲ こしらへやると仰られ御立ゆへ、楽しみ
ニ致居候所、
只今を以御帰りなく、もはや此節
ハ私いそ共
手明
ニ成候まゝこしらへ置たく、極麁末のを一反
とゝのへ可申哉、是も伺候、
一又申上候、御国より神山氏御用
ニ而御出の由、大分
所々よりいろ/\参り候様子
ニ候所、内
ニ而ハ只今迄
つき合候御人
ニ候哉、とんと様子知れ兼、いかゝ
可致とかんがへ居候所、其内永田様御出、只今
神山へ参り候へ
ハ柳澤様へも上り候筈なから
御留守ゆへ上り不申、宜との御言伝ゆへ幸ひ
永田様へ御相たん致候所、今日なそも所々より
いろ/\参り、其御馳走
ニ成候まゝ、内よりも
惣ざい物御かう/\の様成物折ふし
送り候方宜と御申ゆへ、此程よほと念入
候て御すしこしらへ上ヶ、其後御かう/\上候
事
ニ御座候、何れ御帰りのうへ上るとの事
ニ御座候、
一段々仰戴御書状ま事
ニ有難、軍中
ニ而も
御出産被遊候御方様もあらせられ候との御事
なから、とふ致候ても私
ハそふ思われす、心
ほそく/\、一心
ニ御帰り
ヲ祈/\/\参らせ候、私
名字大そふ成字
ニ遊し戴、初ての節
ハよほと
かんがへ余り御りつば過、恐入/\候事
ニ御座候、
何も/\御請迄、用事のミ申上候、日増
ニ身おもく
別して御分り兼、御はんし願上候、
めてたくかしく
なを/\万々年めてたくかしく
五月十三日認置 十四日出ス