廿一日出御書状廿三日着、廿三日出廿五日着、有難/\
拝見申上候、ます/\
君御機嫌よく被為入候御事伺、いか程も/\
有難/\/\拝見申上まいらせ候、扨御召御持参
の分ハ不残御ほろ(母衣)ニ成候との御事、何れも
其つもり、ほろニ成候程御はたらき戴候ハ
ま事ニ有難/\/\、御先へ御廻し戴候へハ猶更
有難、左候ハヽ私うごかれ候内手を入候御事ニ
御座候、宿やの夫婦其外下男等よく/\
御世話申上候よし御伺せ戴有難/\/\、夫でハ
まつ/\少しハあんしん致候、ほぐ(反故)の御事も
かしこまり/\まいらせ候、廿三日出ニ而峯さんの
御返事も伺、仰の通りニ致候御事ニ御座候、
此節ハ御手明ニ成せられ候よし、御茶御菓子ニ而
御暮しの由、御やすき御事、御丈ぶニ而御上り物
御甘く召上りと伺候へハ、何寄/\有難/\/\
存上奉り候、月給の御事つい/\不申上、
御めん/\遊候、月々廿日比ニ間違なく
笹間様迄戴ニ上け戴居、らく/\と暮居まいらせ候、
ま事ニ有難/\/\御事ニ御座候、もはや其内私
うごかれぬ様成そう、左候へハ峯さんも御病気
中、何ヲ願候事も出来不申、何事もいそまかせ
金子の出し入ニもこまり候間、私うごかれ候
内、すみなそも三四俵も取入置可申と存居候、
まきハ北沢ニ而沢山取入置、大あんしんニ御座候、
君御留守ニ而ま事ニこまり、私うごかれぬ様
成候と、客のあいしらい勝手の事とも
いそ壱人、実ハ私もま事ニ心ならす候へとも
とふも致方なく、其節ハ気を落付置候
つもりニ御座候、
一当月廿四日夕方鶴田さん御出被下、いろ/\
御親切ニ仰被下、君の御様子も委しく
伺、ま事ニ大々あんしん/\有難/\/\、
とふかきかい(灯火機械か)御引つれ御立のよし、夫計ニ而
済候へハ六月十日比ニハ御用済のよし、
又一ッ局仰蒙りニ御成遊候と六月中御かゝり
との御咄し、ま事ニこまり入候事ニ御座候、
右ゆへ御召等御廻しニ成候へハ、私慥ニ持参
可申と、御細々仰被下候ゆへ、実ハ問合候所、
もはや廻スニ不及と申越候へ共、ま事ニ
よき御序ゆへ、夏御よふふく計此別紙
の通り御廻し申上候、御ゆかたも廻し可申と
そんし候へ共、御道中ニ而御こしらへのうへえ
又廻し候てハ御荷物多ニ成候計ゆへ、是は
見合、御廻し不申上候、御茶少々差上候、
鶴田さん御出の節ろうそく御めに懸候事
大ひつねん、実ハ鼠も心配ゆへ、願物もたせ
上候節、いそニろうそくも二百七十五挺
もたせ上候、御承知ニ申上置候、内ニ而も其内
出産等の節ハ入可申、ま事ニ沢山御座候、
心丈ふニ御座候、実ニ不足なく暮し、勿躰
なく、 君の御かけ様計りと有難/\/\
存上奉り候、どふそ建築計りの御用ニ而
御帰りの様祈々々々居まいらせ候、鶴田様へ
願候節、少々計の御菓子上候、御承知ニ申上候、
鶴田さん御内御おしへ被下候に、絵づまて
御認置被下候、御礼宜願上候、
一尾州へ便りの御事仰戴、ま事ニ恐入/\候、
尾州よりこそ君の御機嫌も伺不申、私も
ま事ニ済ぬ事と存候へ共、真平/\御めん遊候、
わたくしハ生れ出候内ハなくと存きり候、
しかし母より当春一度便り致し、とふそ目の
黒き内、そなたの 旦那様へ一度ニ而宜御めに懸、
わたくしの事願置たくと申越候、わたくし
懐妊の御事承知いたし、夫ハ/\歓々こし
まいらせ候、御内の様子も見たいなそと申越候、
一新助昨日御礼ニ参り、ま事ニ大有難かり/\
御道中へ厚御礼申上たくと申置まいらせ候、
何も/\よき御序ゆへいそき/\認、御廻し
申上候、万々年 めてたくかしく
なを/\ めてたくかしく
五月廿五日願置
別紙送り書
一御づぼん 壱ッ
一御むね懸ケ 壱ッ
一御ちよつき 弐ッ
一御しやつ 三ッ
一御茶 弐袋
右の通り御廻し申上候
旦那様へ 申上 つけ
人々御中用事
人々御中用事