17.明治7年5月31日

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               つけ
 
 廿七日出御書状廿九日着、有難/\/\拝見
 申上まいらせ候、御道中いかゝ哉、東京昨今
 よほと夏めきまいらせ候、
 君ます/\御機嫌よく御勤戴候
 御事、ま事/\有難/\/\御めてたく
 有難かりまいらせ候、扨此程鶴田さんニ而
 君の御機嫌委しく伺、ま事大安心/\
 有難かりまいらせ候、もはや昨今白川へ
 御着の御事と存上候、私もま事大丈ふ
 に候へ共、此三四日ま事下り候せいか
 せつなく、もはや寝かへりも出来不申、
 居候て寝かへり致候様相成り、立居大
 むつかし、ゑご/\致居候、筆を取候も
 何かま事せつなく、ま事へな/\書
 御はんし被下候、此様子ニ而ハとふ致候ても
 御留守中出れそふ、ま事心ぼそき事
 御座候、心遣ひ致ぬやう度々の御書状
 実有難/\/\御事、是御勤戴候御かけ様
 にて、其心配致不申、有難/\/\御事
 御座候、夫是存候へは、御留守中位致方
 なくと存まいらせ候、御帰りの節御出向ひ
 出し可申と楽しみ致居まいらせ候、
 峯さんも追々宜、大分御気先も御宜
 そふ御座候、御薬もせんしつゝけ、召上り
 物、御膳初きひしく致上け居まいらせ候、
一扨賢次郎事、御祈祷の事等ニ而かけ
 あるき候様子、何か名の文字の事付、
 一筆あけると申、昨日持参り、私の存候
 に、男女かきらす 君御生遊候節の
 御名を付たく存居候所、あれ是飛あるき
 きをもみ候所へ、何か申にくゝ、とふ致たら
 宜哉、御相たん申上候、いまたいそき候事
 なく候へ共、もし私うごかれぬ様成候て
 一ばいの御そふたんも出来不申ゆへ、只今
 より御相たん申上候、昨日も御便り出たくと
 存、認かゝり候と、佐藤家内、永田御新造、
 神山さん、かわり/\御出、出しそこない、
 人の内人々出入多か御目出たいと申候
 まゝ歓居候、神山さん御事、御機嫌も伺不申、
 済不申、其内伺候間宜々申上様御申
 御座候、永田御新造も宜々々申上候様
 御頼御座候、何もへな/\書、御はんし
 願上候、何も用事のみ、早々
           めてたくかしく
    なを/\めてたくかしく
     五月三十一日夜認
 六月一日朝一番神山さん御出御座候、
 とふそさ様致たく候、
 
旦那様へ 申上     つけ
      人々