十七日出、十九日着、拝見申上候、
君益御機嫌よく入せられ候御事、
何寄/\有難かり/\まいらせ候、扨東京ハ
夫ハ/\きひしき御暑さニ御座候、御道中も
御同様と存上候、君どふぞ/\
御暑さ等ニ御障りの不被為有候様
堀之内様へ内ニ而御百度ヲ上け祈々
居候、私ハきれいの内ニ而すゝしく
暮居候間、有難候へ共、
君ハ御道中定めしきたなき
所ニ御出と御きの毒さま/\ニ存上候、
一昨日峯さんより御便りの節、私よりも
さし上可申と存候所、四つ比よりねりま
鎌さん御出、一日御咄しニ而手引不申、
夫ゆへ差上不申候、十二日ニ布田より
暑中ニ力さん御出、一夜御泊り翌朝
御帰り被成候、布田より●さん度々御出、いろ/\
戴候事ニ御座候、昨日北沢賢さん
御出、御法事ニ付平さん御すかさん
御出の所、御暑さニ付御断御申ニ御座候、
建さんハせひ/\御出のよし、御寺参り
何時と御申ゆへ、朝八時ニ参り候と
申候へハ、左候ハヽ前日ニ参り泊り候
て一所ニ行と御申、御帰り被成候、布田
北沢・ねりまよりうんどんこ御もらい申、
ま事ニ好ゆへいろ/\ニ致、右粉計
たべて居まいらせ候、私事ま事ニ宜相成り、
ま事ニ/\有難/\、御あんしん願候、
丈ふニ而御留守ヲ守り居候間、御安心/\
とふそ/\御帰りヲ一時も御早く
願上候、余りの御長さあきれかへりまいらせ候、
御用と申、ま事ニ致方なく、御丈ふニ而
御勤戴候御事、此うへもなき有難/\
御事ニ御座候、
一峯さん一条、十七日出御書状篤と拝見
のうへ御渡し申上候、御覧被成、何と申
御返事上可申と御相たんゆへ、是は
あなたの御了間、是程ニ被成候
御兄様ヲ有難たいと思召さす
御一了間ニ而ヶ様の事被成、女なから私迄
ないがしニ被成、御相たんもなき事
ゆへ、私ハ何事も御兄様と御同意
ゆへ、其思召て御出なさいと申候事ニ御座候、
心からいじのわるい事致候とハ更々
存不申候へ共、君御留守がちの御事
ゆへ、私がなまやさしい事ヲ申候と
峯さん御為ニ成不申、十七日出の
御書状ニ而、私も去冬中よりのためこと
ヲ申出し、りくつ詰ニ致、あなたハ
御兄様の御為ニ修行ヲ成さるかと
申候へハ、左様の事ハないと御申ゆへ、
左候ハヽなぜ御留守と御内と御違へ
なさるとせめ候へハ、御こまり御出ニ御座候、
わたくしもいろ/\申候事も御座候
得共、蓮様内へさぞ/\御心残と、
右へたいし峯さん御世話可致と存居候、
御気ニわるぎハ更ニなく候へ共、只々
何事もはき/\被成候事御出来
不被成、こまり候事ニ御座候、いろ/\
申上候事御座候へ共御帰りのうへ
御咄し申上候御事ニ御座候、めてたくかしく
八月廿一日発ス
旦那様へ 申上 つけ
人々御中
人々御中