二日出御書状四日着、拝見申上奉り候、
君ます/\御機嫌よくとの
御事、有難/\/\/\存上奉り候、
扨才領の御事伺候へハ、早速/\
御否御伺せ戴き有難、何も/\
うかゝひまいらせ候御事ニ御座候、千住迄
御迎の義御委しく仰戴き、
有かたく/\/\、左候ハヽ御迎差出し
不申候、賢次郎事昨日参り
御着相知れ候ハヽ伺たく、千住迄
御迎ニ出候よし申候間、何となく
留置まいらせ候御事ニ御座候、さて
水谷氏御事病院ニ御かゝり
のよし、ま事ニ/\御きの毒/\の
御事、嘸々御こまりの御事と
御さつし申上候、付而ハ
君御帰宅また/\御延と昨夜も
ふせり候て、つく/\とかんがへ、
ヶ様ニ御寒くも成り、定めし
御残し置の御召もやぶれ居候
御事と、実ニ/\気がもめ/\/\、
実を以御召持参ニ而参りたくと
心細く成りまいらせ候、とふそ/\
御帰り御日限御きまりニ相成り
候ハヽ御伺せ戴たく、四日ニ御伺書
御差出しの由、右御差図御座
候ハヽ直ニ御きかせ願上候、扨佐藤事
近くへ参り、都合わるく、私も
よろしく成候間一度こひ/\と
申、引移り後一度も参り
不申、并ニ産後礼ニも参り
不申候間、御帰りのうへ御一所ニ
可参と存居候所、あやにく入湯
四ッ谷辺へ参り候と賢次郎ニ
出合都合わるく、ま事ニさとうへ
参り候事いやで/\成不申、
しかしふぎりニ成候もいかゝゆへ、
もし/\余り御帰り御延ニ相成
候ハゝ一寸参り申へくと存
候間、御帰りの御様子御伺せ被下候、
佐とうへ参り候と永田へも
ぎりがわるく候へ共、永田の方は
御帰りのうへニ致候とそんし居候、
よその内へ参り候事、ま事ニ
いや/\、内ほどよい物ハ御座なく、
ぎりとふんどしかゝれないと、
たとへの通りニ御座候、
一安藤ばアさん事、此程中かうし
町やど屋へ雇ニ参り候よし
の所、安藤事此節ハまた/\
わるく、実ニ/\ばけ物のよふニ
成り、右所へも参り兼のよし、
日々の様ニ惣ざい貰候ともたせ
遺し、殊の外の歓ニ候、私産
後もよごれ物もあらいくれ候間、
うなきめしふるまい遣し候へハ、
十いく年ぶりニ而戴き候と、
夫ハ/\ひどい歓々ニ御座候、
それこれ私のふる物も遣し置
候間、礼なぞもらい候気か御座
なくながら、産後二七夜まて
参りきりニ而世話致くれ候間、
御帰りのうへ何か礼と存居候へ共、
余り御おそくゆへ、道中より申越
たと申、御施しかた/\弐分も
戴かせ候てハいかゝ哉、此たんも
伺まいらせ候、嶋崎ハ御帰りのうへニ而
よろしく哉、嶋崎御新造事
ま事ニよく致くれ、初てこし湯
の節も安藤ばアさんハだいし(大事)
計り取、いつ迄も湯留、其内ニ
嶋崎御新造参、かへてわるいと申、
たすきかけニ而湯遺わせくれ候、
夫も是も旦那様の御かけさまと
有かたく/\/\/\/\存上奉り候、
実ニ昨ばんもかんかへあんじられて
/\/\成り不申、ふせり兼まいらせ候、
ふせられぬは御帰りが御座なく
てハなをり不申、御帰り御座候と
昨年もせうたいなくねむく
成り、ふせりまいらせ候御事ニ御座候、
とふぞ/\御早く御帰りヲ祈
々々居まいらせ候 めてたくかしく
九月六日九時出ス
用事
旦那様へ 申上 つけ
人々御中
旦那様へ 申上 つけ
人々御中