38.明治9年1月12日か

高精細画像を見る


 一月三日出、同六日出、同八日出着、有難/\
 拝見申上候、 君ます/\御機嫌克
 御勤戴候御事、いか計/\御めてたく
 有難かりまいらせ候、扨相かわらす
 御発句戴有難/\、とふそ戴たく
 ゆへ、重便願可申と存居候所へ
 戴、ま事/\嬉しく/\/\、実御発句
 の通り御座候、なを直事ま事/\
 大丈ふ/\/\、口中もいし(医師)かけ、其外
 いろ/\の薬ニ而、もはや宜く、御安心/\
 願候、東京風はやり、私一両日あたゝまり、
 今日おきて居候、当年の産ニ而
 なを/\丈ふ相成りまいらせ候、昨
 年のこたわり不残出てしまい、
 からだぐわゐ大宜相成、有難かりまいらせ候、
一扨金子の事仰戴、東京
 九日夜中より雪ふり出し、十、十一日と
 二日ふりつゝき一尺余もつもり、大難義/\、
 ゆふ便着、直さとうへさよ遣し
 候へ、賢次郎も風ニ而ふせり居候
 よしの所、御手紙拝見いたし、
 外の事と違ひ、此位の人だす
 けを被成候へ、柳沢さん御さい難の
 あるきづかひなく、柳沢さん
 御道中の御事、一日も早くと申、
 直参りくれ、二本橋へ行と
 申候間、雪ひどくゆへ車代遣し、
 直参りもらひ、賢次郎申候ニハ
 私もたすけて戴て有(難欠か)と申、
 直参りくれまいらせ候、
一直事十日か宮参り付、永田
 はしめ赤飯くはり、屋敷中
 もらい物のきりも済せ、直事
 気物あくりの絹ちゝみのきせ、
 賢次郎、嶋崎家内、源三郎、さよ
 にてつれ参ると申、はつみ居
 候所、大雪ゆへ延、十五日と申約束
 御座候、直事気類(着類)余りかまい
 不申置、此節大小へん沢山
 成こまり候間、もゝ色もめんニ而
 一ッこしらへ可申と存居候、よい
 の一ッもこしらへ不申、御帰り
 のうへと存居候、直事もはや
 少々充わらいかけ、よく/\ふとり、
 いろ白ニ而、顔の様子人々
 御父様其まゝと申まいらせ候、
 何も/\雪ニ而寒く/\、なき
 候間、早々申上候、万々年
           めてたくかしく
       なを/\めてたくかしく
   旦那様へ申上 人々    つけ
  仰の通り六十円賢次郎へ
  遣し候事