39.明治9年1月13日

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(前欠)
 引てしまい、むだ相成、また/\
 今日参り、夫ゆへおそく成、廿日
 着候ヽ宜と心配いたし候、夫申上候
 通りの雪ニ而、川留心配いたしまいらせ候、
 今日の御寒さ一通りならぬ
 御寒さ、日中雪とけなし、
 一尺のうへつもりかたく成居まいらせ候、
 小児口中仕合と今日なそさつ
 はり宜有難/\、源事雪あた
 りニ而はきくだしつよくいたし、
 学校やすみ候と本かまけると
 申、涙こほし候へ共、何分むかひ
 けニ而参り兼、昨今休ませ置候、
 福留見せ候へ、全く雪当り
 と申、薬のませ候間、御あんし
 なき様申上候、此程の御手紙も
 よく/\伺せ候、学校ま事
 せい出し、此節小学二ならい、手習
 たんごへんま事よく出来候、此節
 だん/\私よくしたい、直かわゆ
 かり、私乳ま事よく出て参り候
 直事みるき好成、乳のまぬ
 日有、其節源事私乳すい、
 此節のんでしまい、大わらい御座候、
 此節直両べんたれつゝけ、あらい
 つゝけ日暮し、夫きひしき
 寒さ、所々のあかんぼうミな/\
 よわり、直仕合と大丈ふ御座候、
一嶋さき家内申候ニハ、内へ五六人
 学校引後けいこ参り候人
 御座候間、源さんも思召御座候
 御出と申候間、一日も早く壱人
 前いたしたくゆへ、日々朝八時より
 三時迄学こう、夫より五時迄嶋崎、
 夜さらい、夕方少々の間気
 ぬかせ遊候事候、嶋さきニ而習候
 物、私ろんごと存候へ共、いろ/\
 相たんいたし、日本外記キ習せ、
 夫と石番(盤)へ手紙の分習せ、
 本 君のもたせ遣し、
 御とゝ様御留守習候事ゆへ
 よごしてならぬと、きつと申付置候、
 此御寒さニ而建築不被遊ゆへ、夫
 ま事安心/\、大阪御着のうへ
 近々御機嫌伺たく候へ共、日積、夫
 近年になき御寒、小児寒かり
 ふところへ入居候間、認候事
 出来兼、つゐ/\御無さた、此たん
 御めん/゛\願候、当年正月初の
 進物か赤飯、ま事心よき事御座候、
 産の節々所々よりふり程いろ/\
 もらい、右ゆへ赤飯十八けんくはり
 何から何迄ニ而ハよ程物入相成候、
 夫当年、源三郎袷ゆかた一
 間合不申御こしらへ戴不申て
 成不申、直も夏物不残しんき
 御座候、右中ニ而願兼候へ共、私気物
 京都ニ而御かい戴候の産前こし
 らへ、夫/\よい気物成、付而ハ
 此節気たく候ても、下着裾廻し
 揃不申気(着)兼候間、八丈下着裾
 直し致たく、付而ハ上着と揃候
 裾廻し御かい遊し戴たく、御留守
 私の品こしらへ候不宜候へ共、
 壱両二分程かゝり候へ共、こしらへ
 候ても宜哉、一寸/\伺候、添田
 さんま事/\御かわゆそう、さつし
 入候、賢次郎実出来ぬ事と
 申、御たすけ、六十円も御貸、実
 ほんとうの御人と申居候、
 柳澤さん御さい難なくと
 申居候、万々年/\めてたく
   一月十三日認
  旦那様へ申上 人々  つけ