42.明治9年1月29日

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 其後申訳もなき御無
 さた申上、真平/\御めん/\
 被下候、 君ます/\御機嫌よく
 御勤遊し候御事と有難/\
 存上候、扨大坂いかゝ哉
 東京日々の雪、又昨今
 大雪ニ而ま事こまり/\まいらせ候、
 定し其御地もと、御道中
 の御事ゆへ、別なく御あんし
 申上候、委しく御伺せ被下候、
 右ゆへ直事口びろいろ
 かり寒かり、しかし寒ニハ
 更に当り不申、是が第一/\
 有難/\、寒かり候間、私の
 手はなされず、夫ゆへつゐ/\
 大のら御無さた申上、真平/\
 御めん/\被下候、夜中おき
 あるけ/\ニハりきり、
 たれも夜中おき候つらく
 ゆへ、壱人ニ而寝たりおき
 たり、御内入せられ候ヽと
 御なつかしく/\、何も/\ま事
 大丈ふ/\、日ましちへ付
 候間、有難/\/\、只々御帰りのみ
 楽しみ暮し居まいらせ候、
 しかし此程伺候御返事
 御早く戴たく、夫次第ニ而
 仕たく致候間、早々仰戴たく候、
 今日認出し候つもりの所、大々
 雪ニ而、道つかぬ内出兼/\
 今日相成り/\、大雪ふき
 ふりニ而大こまり/\御座候、
 くれ/\も 君御機嫌委しく
 御伺せ願候、
一宇都宮よりヶ様申参り候
 間、何と申出し候哉、とふそ/\
 御認御廻し願上候、右手紙
 御覧入まいらせ候、何も/\
 余り御無さた済不申ゆへ
 御機嫌のみ伺まいらせ候、日々
 大用おしめあらい、かごにて
 ほし候が私の御やく御座候、
 余りきひしき御寒ゆへ
 じゅばんのうへこしらへ候、
 おんふ羽織ニ而おぶい暮し居まいらせ候、
 一口おんばさん御座候、御わらい/\、
 万々年/\/\/\めてたくかしく
    一月廿九日
   なを/\めてたくかしく
   旦那様へ申上 人々      つけ