45.(年月日不詳)

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御用中へいろ/\ごど/\申上恐入候へとも、
いまた当月も半月御座候事ゆへ、私のうん
次第と祈々居まいらせ候、いか程さわき候ても
ふさぎ候ても、御用御済不遊ゆへ、御帰り兼と
仰られ、実致方なく、是をかれこれ申候、ま事
わからぬ人げん、不長法なから武士の家内
成り、夫是いろ/\と昨夜もかんかへ、涙留まいらせ候、
しかし御用済御成遊し候ヽ、人力車ニ而
御早く御帰りきつと/\願上候、いろ/\
かんかへ直し、只今まど下へ植木や参り、
いろ/\草花持参り候間、三鉢計とゝのへ、
赤土ニ而きれゐうへかけ、花活へもさし、
時計ちん/\と申、ま事精々と
いたし、心持よろしく、人々参り、ま事
うら山しいと申まいらせ候、ま事有難/\事
御座候、庭の松ぼたんひとりばへ、夫/\
大そふ出、君の御たんせいの種もまき候へ
よく出所々よりもらい参り候まゝ遣し、内
ニ而も其内ねわけ致可申と存居候、私事
庭ま事大好候まゝ、あれ是致度候へ共、此節
ま事せつなく出来兼候へ共、何も慰の事ゆへ
こざでも引居候て、楽しみね分致可申と
そんし、はたけ夏大根・そら豆ま事よく
出来、御いも・いんけんもよく出来、楽しみ御座候
 (後欠)
 
※宛名書なし