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十一月五日宇都宮より御差立の御書状、同七日
一時頃着、有難拝見申上候、益御機嫌よく
日々御勤、御丈ふとの御左右伺、くれ/\も
有難存上奉り候、仰戴候通り御立前
仰付られ置候通り、石屋
江のさい束之儀
承り奉り候、なを又私両所へ参り候儀、
只今の内参り候様仰戴、ま事
ニ/\恐入
有難、仰の通り、余り寒く不相成内、出かけ
可申と有難/\/\存上出かけまいらせ候、
御機嫌御宜ゆへ御便り戴す事と存上候へ共、
江戸
ハま事
ニ御寒気日御座候まゝ、いかゝと
存上、日々けふ
ハ/\と御あんし申上居候へは
御便り着、まつ/\大々安心いたしまいらせ候、
御用中の御中へ、ヶ様の御事申上候
ハいかゝ
なから、御機嫌が知れ不申候と、ま事
ニ/\/\
御あんし申上、居ても立ても御寒気時分
ゆへ、かた/\いられ不申ゆへ、御機嫌計にて
宜候間、とふそ/\御伺せ戴たく、ひとへ
ニ願
上候、とふそ/\御寒さ
ニ御障のなきやう
神仏様へ願上居候、此程前田様御出、
君様より御咄しの義被為有候由、月給等之所
くわしく伺
ニきたと御申、夕方より御出の所、何も
仰置も御座なくとの儀申上、いろ/\御咄し
いたし、御帰り
ニ相成り候、昨日御家内も御子御つれ
御出、ゆる/\御咄し
ニ御座候、永田様も御出、何か
川嶋藤さんの義
ニ付、いろ/\御咄し御座候由
の所、御留守致方なくと御申、御召上御三度も
御上り御帰り
ニ相成り、留守中折々御見廻り
願候と申置候、東京
ニハ御咄し
ニも出気不申
恐入、珍しき事御座候、とふか 君御勤の
御役所、御近所の御様子ゆへ、何れ外様より御咄
御座候事ゆへ、くわしく
ハ不申上す(衍か)候、神山様よりの
一通当月二日着、御届ケ申上候、御用中へ申上候
義
ニハ無之、恐入候へ共、私も只今の所
ニ而ハとこへ
相たんも出来不申ゆへ、極御内々御用中なから
君へ御相たん願上候、私ま事
ニ丈ふ
ニ候へとも
只々胸のかけんあしく、御膳戴かれ不申
向といや
ニ成候まゝ、かもかしやもの内戴て
見たく、ヶ様の時
ハいかゝの物
ニ候や、一寸/\
御内々伺たく候、ま事
ニこわくゆへ何も/\
戴不申、大事
ニ致居候、御立前
ニ伺置候品々
ハ戴不申候、ねぎなぞ
ハけして/\戴不申候、
何事も/\ 君の御かけ様、結構
ニ暮し
有難/\/\/\存上、付ても日々御寒い事計、
とふそ/\/\一時も御早く御帰り
ニ致たく、
いのり/\/\/\まいらせ候、御帰り比御知れ遊候
ハヽ
少しも早く仰戴たく、ひとへ
ニ/\願置候、
君の御かけ様
ニ而寒気思ひも致不申、
内ほとよいもの
ハ御座なくと存、有難/\/\
存上暮し居候、くれ/\も御機嫌
ハ折々
きつと/\御伺せひとへ
ニ/\願上候、万々年
めてたくかしく
十一月八日認
旦那様
江人々申上 津け