立地

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城址は小西字城山の台地上(一部は山下)に所在する。この台地は標高約八十メートル、山下との比高は六十メートル程を有し、若干起伏をなす南向きの半島状を呈する。北側はほぼ同じ高さの平坦な台地が続き、南側は一段と低い丘陵が複雑に展開するが、その高さゆえ眺望は良い。この両者の地形の相違は、地質条件に由来しており、城山はちょうど接点にあって、地形の変換線上にある。このような条件ゆえ、城の主要部は台地上に位置し、その南側は低い丘陵が派生し、この点は後に述べるように城の構造に影響を与えている。
図5 大網白里町及び周辺の城館址
図5 大網白里町及び周辺の城館址
 1 清名幸谷城6 板倉長門守屋敷11 善勝寺城
 2 小西城7 大竹殿谷館12 土気城
 3 要害(大網)城8 駒込殿谷館13 東金城
 4 永田城9 平沢殿谷館
 5 養安寺殿谷館10 神房殿谷館
 
図6 小西城址
図6 小西城址

 台地上は現在、杉林や桑畑、あるいは普通畑として利用されているが、北側の広い桑畑は近年、削平され、土を周囲に盛土しているので旧地形とは異っている。
 山下の館址は、字堀ノ内の地と推定され、現在宅地となっている。北方は城址南側の急崖、東西はそれより派生する尾根にかこまれており、僅かに南側が平地に口を開いている。いわゆる谷戸式館址である。
 以上、立地の面からみた本城址は、大網の北部丘陵地域を一望できる要害の地を見立てたものであるということができる。