この城はその曲輪どりからみて、四つに大きく大別できよう。周囲を深い空堀と急崖にかこまれた主郭部、土塁と堀切のみられる南西の曲輪(これは前者よりも規模がおちる)、それから自然地形を多分に残している主郭北側もひとつの曲輪としてよいであろう。最後が山下居館部分である。この曲輪群に付随するように腰曲輪、堀切が存在するが、主郭南東に派生する支尾根には堀切が連続し、これなどはひとつの遺構群としてよいであろう。
本城址の構造上の特色は、自然地形ももちろんそうであるが、加えて大規模な堀による人工的な要害性にある。しかし、それが主郭部分、及び、尾根の堀切において顕著な一方、その他は比較的自然地形にまかせており、これは本城址の年代を暗示しているのであろう。
写真 堀之内近景