(6) 村議定

360 ~ 361 / 1367ページ
 近世の村びとは、これまで述べてきたように、村請制や五人組制など共同体規制のもとで村の生活を営んでいた。その共同体規制の集中的な表現が村議定といわれるものである。共同体規制は、村民の生活・生産全般を規定するものであるが、反面、村民の自治体的な性格も兼ね備えていた。その内容は、領主の農村統制の在り方、村落の存立条件によって多種多様な形であらわれてくる。したがって、村議定のなかで取り決められる内容も、村々の実情を反映して多岐にわたる。村民自らがつくり上げた村法は、村議定(ぎじょう)・村掟(おきて)・村定(さだめ)などと呼ばれ、各地域の社会的・経済的諸条件に適合した申し合わせがなされた。村議定は、村内だけで取り決められるものもあれば、広範囲にわたる村々の間で取り結ばれるものもあった。