成人男子は二十歳(昔は徴兵検査がすんでから)、女子は、十七歳か十八歳で、結婚したら一人前と認められた。
主婦 嫁に主婦の権限をゆずり渡すことを「しんしょうを渡す」と言い、時期は定められていないが、一般に嫁に子供が生まれたとき、生まれた子どもが七歳になったとき、小学校を卒業したときなど。大体の「目安」があり、三十代の後半から四十代の中半にかけて、一家の嫁が主婦となる。
相続 むかしは長男が相続するのが普通であったが、上総一帯には「姉家督」といい長女が「むこ」をもらって、総ての財産を相続するならわしがあった。相続者がいない時にはその家は「たてつぶれ」になったという。結婚した長兄が死んだ場合、弟と長兄の嫁が結婚することもあるが、これを「みあわせ」といった。