(昭和五十二年八月十日付)(第三章第七節参照) 所在 北今泉二四六四 所有 等覚寺
北今泉の海岸線より西ヘ一、七キロメートル入ったところの等覚寺墓地内には津波の碑が現存し、その碑面には次のように刻まれている。
正面―妙法 海辺流水六十三人精霊
側面―奉唱題目壱千部 願主北今泉村
正徳五年 十一月二十三日
元禄十六年(一七〇三)、関東地方南部を中心として、震度Ⅵ~Ⅶの激震が襲った。房総半島九十九里浜沿岸には四~八メートルの大津波が襲来したといわれ、成東町から一宮町まで、約千名の犠牲者があったと記されている。沿岸各地の供養碑は、俗に「津波塚」とよばれ、本町では他に四天木の要行寺津波塚(三百四十五人の供養碑)を挙げることができる。
石碑はその時の犠牲者の供養碑で、津波襲来より十二年後に建てられたものである。災害の恐しさを現在に伝えるものとして貴重である。