松渓載鶴図


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 松が生い茂る渓谷の清流に、鶴と高士を乗せた舟が浮かぶ。「載鶴図」はしばしば描かれてきた画題で、西湖に隠棲し、鶴と梅をこよなく愛した中国宋代の詩人・林和靖のイメージが重ねられていると推測される。近景に大木を配し、水景を挟んで対角線上に主山、その奥に遠山を描く定番の構図をとり、山に打たれたリズミカルな点や鶴と人物を描く繊細な線など、巻石の確かな画技がうかがえる作品である。款記に「写於銚江載陽書屋」とあり、銚子に遊んだ折に描いた作と分かる。
 
解説: 城西国際大学水田美術館学芸員 堀内 瑞子(2019.3)
 
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