- 雙石先生印譜
- 石井雙石
- 昭和59年11月
石井雙石の自用印が捺された折帖。題簽には「雙石先生印譜」と記され、その下には「洋」白文印が捺される。右から「碩」白文印、「碩」朱文印、「碩」白文印、「碩」白文印、「雙石」朱文印、「井碩」白文印、「醉碩」朱文印、「雙石」朱文印、「醉碩」白文印、「雙石所作」朱文印、「碩印」白文印、「井碩」朱文印、「井碩」朱文印、「雙石」白文印、「碩」白文を二顆(捺印に失敗のためか)、「碩鉥(じ)」白文印、「不二山客」朱文印、「子寛」朱文印、「碩鉥」白文印が捺される。落款には「雙石先生使用印、昭和五十九年十一月中浣、捺印於武刕東松山、洋行拝題。」と記され、「峻川」朱文印、そして題簽と同じ「洋」白文印が捺されており、武刕(武州)東松山の峻川洋行なる人物が捺印している。
「醉碩」が二顆捺されるが、雙石は生来、酒を好み、一日に四度、朝昼晩夜に飲酒するほどであったと言われる。「不二山客」は、大正12年(1923)7月、雙石が札幌から上京して富士山の見える東京青山に居を移して、不二山房を営んだことに因むが、この年に関東大震災で被災してしまう。また「子寛」は、雙石の字である。
解説: 髙橋 佑太(二松学舎大学専任講師・博士(芸術学)) 2019.3
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