- 月下帰牧
- 石井林響(天風)
- 明治40年(1907)頃
月光の下、牛に乗った二人の牧童が話を交わしながら家路につく情景が描かれる。山を立体的に表す洋画風の陰影表現とともに、画面を埋め尽くす茶と緑の重厚な色彩、月光に照らされた牛の背や鼻筋に胡粉をはく手法は、明治30年代から40年代初めの作品の特徴である。
明治36年(1903)以降、橋本雅邦門下生による二葉会展や美術研精会展に出品して受賞を重ね、画壇の若手として頭角を現した頃の作品。
解説: 城西国際大学水田美術館学芸員 堀内 瑞子(2019.3)
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