京極高次定条々

古文書一覧に戻る


京極高次定条々    [目録]


   定条々
一、当町中楽市之上者、諸座・諸役・
  諸公事悉免許之事
一、喧嘩・口論并国質・所質・押買・
  押売令停止事
一、伝馬并普請今迄如有来可相勤、
  其外者免許之事
一、火事之儀、任天下御置目、自火付
  火共ニ可令赦免事
一、咎人之事、借屋此雖為同家、亭主不
  知其子細、不及口入者、不可有其過、至
  犯過之輩者、遂糺明可處罪過事
一、諸色買物之儀、雖為盗物、買主不知之者、
  不可為越度、彼盗賊人於引付者、任古法臓
  物可返付事
一、至町中譴責使・同打入等之儀、安養寺仁
  相尋、以糺明之上、可令沙汰候事
 右條々、若於違背之輩者 可處厳科者也
  (文禄三)八月二日     (花押)
           八幡町中
 
【読み下し】

   定条々
一、当町中楽市の上は、諸座・諸役・
  諸公事ことごとく免許の事
一、喧嘩・口論ならびに国質・所質・押買・
  押売停止せしむ事
一、伝馬ならびに普請今まで有来のごとくあい勤めるべし、
  その外は免許の事
一、火事の儀、天下御置目に任せ、自火付
  火共に赦免せしむるべき事
一、咎人の事、借屋これ同家たるといえども、亭主
  その子細を知らず、口入に及ばざれば、その過あるべからず、
  犯過の輩に至らば、糺明を遂げ罪過處すべき事
一、諸色買物の儀、盗物たるといえども、買い主これを知らざれば、
  越(落)ち度たるべからず、かの盗賊人引きつけるにおいては、古法に任せ、臓物返しつけるべき事
一、町中に至り譴責使・同打ち入りなどの儀、安養寺に
  尋ね、糺明の上をもって沙汰せしむべく候事
 右條々、もし違背の輩においては 厳科に處すべきもの也
  (文禄三)八月二日     (花押)
           八幡町中
 
【要約】

   定条々
一、八幡町内は楽市とし、諸座は廃止し、諸役・
  諸公事などといった負担はことごとく免除する。
一、喧嘩・口論ならびに国質・所質・押買・
  押売・宿の押借といった行為は一切禁止する。
一、伝馬役ならびに普請役については、今まで通り勤めること。
  その外は免除する。
一、火事の儀、天下の取り決めに任せ、自火・
  放火共に赦免する。
一、咎人について、借屋や同居であっても、亭主が
  そのことを知らず、仲介などをしなければ、亭主はその罪を問われない。
  犯罪者については、尋問し罪科に処す。
一、色々な品物の買物について、たとえその品が盗品だったとしても、買い主このことを知らなければ、
  罪に問われない。次に盗賊人を捕まえた場合、古法に任せ
  臓物(盗んだ品物)は返させること。
一、町中で譴責使(年貢等の未進を厳しく咎める人)が打ち入りする場合は、安養寺に
  尋ね調査の上許可する。
 右の条目について、もし違背の輩については 厳科に処すものである。
  (文禄三)八月二日     (花押)
           八幡町中