解題・説明
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本鳥瞰図の作者の吉田初三郎 (1884~1955)は、「大正の広重」とも称された鳥瞰図絵師で全国各地の都市や観光地を描き、生涯で2,000点を超える作品を残しています。本図は、昭和11(1936)年の大牟田市庁舎の完成を記念し、市役所産業課が初三郎に依頼して制作されたものです。そのため、本鳥瞰図では威風堂々とした市役所を中央に配し、背後には三池山を擁しています。市役所を中心に林立する工場群や世界文化遺産の三池炭鉱関連施設(三池港、万田坑、三池炭鉱専用鉄道)なども詳細に描かれ、新産業都市として発展を遂げる大牟田の様子が一目でわかる構図が取られています。裏面には大牟田市案内として、片平山公園・白金公園などの名所、三笠神社や普光寺などの寺社仏閣、港祭りや祇園祭(大蛇山)などの年中行事が紹介されています。
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