解題・説明
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明治22年(1889年)に三池炭鉱を政府から引継いだ三井財閥の、三池炭鑛社設立から創業満50年を期して編纂された社史であり、日本の鉱業史においても重要な資料。戦時下にあって、昭和19年12月に稿本として全20巻の謄写版が作成され、出版に至らず完了しており、現存する資料は、公益財団法人三井文庫に所蔵されているものを含め貴重な資料といえる。大正12年の関東大震災によって本店の記録や資料を消失したため、諸資料や各事業所の沿革史の編出、関係者への聴取、鉱山の現地調査などにより、断欠した記録を補い編纂された。鉱山調査及採鉱・選鉱・製煉・化学工業・労務・資材・輸送及販売など15編から成り、当時の近代工業化に寄与した石炭鉱業の詳細な情報が、図表を含めて収められている
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