国指定〝天然記念物〟 ミヤコタナゴ
栃木県内に生息するタナゴ類は、ミヤコタナゴ・ヤリタナゴ・タナゴ・アカヒレタビラタイリタバラタナゴ・カネヒラの6種であり県北部ではヤリタナゴが最も多く、タナゴ・アカヒレタビラが生息する。中部ではヤリタナゴが最も多く、タナゴが生息する。南部ではタイリクバラタナゴが最も多く、ヤリタナゴ・カネヒラが生息する。
大田原市におけるミヤコタナゴは、大田原市滝岡地内の岡和久堀、丸池およびその周辺に生息している。
この生息地全域は、県営ほ場整備事業によって消滅寸前となったので、文化財保護審議会が国の天然記念物指定とすることを答申した。このため県条例により昭和49年3月30日 184.9haの地域を親園自然環境保全地域に指定し、この内最も生息密度が高く、かつマツカサガイの生息条件に適した岡和久堀下流部、約234m2を中心として3,860m2のミヤコタナゴ保護地を設定して、保護にあたることとなり、自然水面の確保と共に人工水面の造成、揚水施設、保護柵、その他の工事を実施し、昭和49年3月完成した、この保護地の管理は、地元市民による大田原市滝岡岡和久ミヤコタナゴ保存会(会員14名)があたっている。
ミヤコタナゴの成魚(平均全長:-雄4.66cm雌4.27cm)は、マツカサガイの鰓葉内に産卵(長径1.84mm短径1.57mm重量1.84mgのダルマ型卵でミヤコタナゴは体形に比較して大形卵である。)し、5月下旬から7月下旬にかけて稚魚(全長平均10.28mm、平均体重6.76mg)となって浮上する。
(参考:-栃木県水産試験場研究報告No.3)
市は、市制施行20周年を記念して昭和49年11月1日〝市の魚〟に指定した。
平林遺跡(敷石住居跡)
W-1号敷石住居址
直径5m程の円形planで、多くの河原石と割り石によって構成されている。炉址は中央から1m程東に寄ったところにあり、6個の河原石より成っている。長径(東西)90cm、短径(南北)70cmで中には焼土が認められる。
この遺跡は、大田原市平林字真子にあり、昭和39年10月2日実測が終わって、昭和36年12月8日大田原市文化財「先史人住居跡」として指定されたものです。
平林遺跡(土器)
平林遺跡からは、阿玉台式・加曽利E式・堀之内式・加曽利B式・称名寺式・加層利E新式各比定の土器破片が出土したが、多くは加曽利E新式・堀之内式とである。
この写真は、高宮隆氏蔵の土器で、加曽利E新式といわれるものである。
湯坂遺跡
大田原市北金丸湯坂地区北東の白坂丘陵上の湯坂遺跡は、昭和32年(辰己四郎・渡辺龍瑞両氏)と昭和38年(海老原郁雄氏等)の調査により、2つの住居跡と袋状土壙が発見されたほか、遺物として、阿玉台式・加曽利E式・大木7式各比定される土器・石鏃・石斧・石匙・石錐・石皿・敲石・磨石・凹石などが発堀された。
この遺跡より出土した土器は、阿玉台式より加曽利E式へ移行する時期のものである。
遺跡からは完形土器7個と大破片とが出土している。これらの出土品は、大田原市教育委員会で保管しているほか、一部は湯坂公民館に、金丸小学校にと保管されている。
大田原市文化財〝古文書〟
起請文 福原金剛寿院所蔵
大田原城景図