第五章 古墳文化

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 古墳――つまり特別な地位にある人々を葬むるために構築された墳丘がさかんにつくられた時代を古墳時代とよび、一般的には、四世紀のはじめから七世紀のおわりの約四〇〇年間と考えられている。この時代になると日本や大陸に文献が遺されるようになってきたので、研究は文献的な面と考古学的な面の二面からすすめられてきた。
 本市の場合、文献的な研究はいうまでもなく不可能であるが、考古学的な研究もほとんどなされていなかった。それはこの時代は前記の弥生時代同様遺跡や遺物の例がすくなく、土師器は繩文式土器のような特色をもたないためにどうしても研究者の目に触れることがなかったことによる。
 現在本市内で確認されている古墳は、三例しかないので、それを紹介するにとどめる。