那須地区広域行政事務組合の設立

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那須地区においても大田原市・黒磯市・西那須野町・那須町・黒羽町・湯津上村・塩原町の二市四町一村をもって、まず任意の「那須地区広域行政推進協議会」を、昭和四十五年十二月二十五日設立し、翌四十六年八月二十八日広域行政圏の指定をうけ、同四十七年一月一日地方自治法第二五二条の二第一項に基づく協議会を設置したが、同四十八年四月一日地方自治法による特別地方公共団体である「那須地区広域行政事務組合」を設立し、今日に至っているのである(第2表、第1・2図)。
第2表 圏域市町村の人口・面積
(昭四五・一〇・一国勢調査)
区分面積人口世帯数人口密度
市町村名
km2人/km2
大田原市一三四・八八四〇、六九八九、二七一三〇二
黒磯市三四三・四〇三七、八〇三八、六九二一一〇
那須町三七二・七〇二八、一二一五、七二二七五
西那須野町五八・九三二〇、八三四五、〇四二三五三
黒羽町一八七・二二一八、三三〇三、九三七九七
塩原町一九〇・二八一〇、三七五二、四五四五四
湯津上村三二・四二六、二〇四一、二五九一九一
一、三一九・八三一六二、三六五三六、三七七一二三
(「那須地区広域行政推進協議会及び同事務組合関係綴」)


第1図 県内広域市町村圏図


第2図 広域市町村圏那須地区位置図

 なお組合の規約、共同施設は次のとおりである。
 
    那須地区広域行政事務組合規約
  第一章 総則
 (名称)
 第一条 この組合は、那須地区広域行政事務組合という。
  (組織)
第二条 この組合は、大田原市・黒磯市・那須郡湯津上村・那須郡黒羽町・那須郡那須町・那須郡西那須野町及び塩谷郡塩原町(以下「関係市町村」という。)をもって組織する。

 (共同処理する事務)
 第三条 この組合は、関係市町村における次の各号にかかげる事務を共同処理する。
  一 広域市町村圏計画の策定及び連絡調整に関する事務
  二 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第一三七号)に基づくし尿(し尿浄化槽の汚でいを含む)の処分及び施設の管理運営に関する事務
三 伝染病予防法(昭和三十年法律第三六号)に基づく患者の収容と隔離病舎及び施設の管理運営に関する事務

四 結核予防法(昭和二十六年法律第九六号)に基づく健康診断、予防接種及びエックス線自動車の管理運営に関する事務

五 と畜場法(昭和二十八年法律第一一四号)に基づくと畜場の設置並びに維持管理に関する事務

六 地方公務員法(昭和二十五年法律第二六一号)に基づく職員の共同研修に関する事務

  七 広域研修センターの設置及び管理運営に関する事務
 (事務所の位置)
第四条 この組合の事務所は、黒磯市沼野田和字稲荷山四三九番地那須地区広域研修センター内に置く。

  第二章 組合議会
 (議会の組織及び議員選挙の方法)
第五条 組合議会の議員の定数は十四人とし、関係市町村において選出された議員二人をもって組織する。

2 組合議会の議員に欠員を生じたときは、ただちに欠員となったものの属する関係市町村において補充する。

 (組合議員の任期)
 第六条 組合議員の任期は関係市町村の議会議員の任期による。
  第三章 組合の執行機関
  (管理者、副管理者及び収入役)
 第七条 この組合に管理者、副管理者及び収入役を置く。
2 管理者は、関係市町村の長が互選し、副管理者及び収入役は、関係市町村の長のうちから管理者が組合議会の同意を得て選任する。

3 管理者、副管理者及び収入役の任期は四年とする。

4 管理者、副管理者及び収入役は、関係市町村の長の職を失ったときは、その職を失う。

 (職員)
 第八条 この組合に職員を置き、管理者が任免する。
  2 前項の職員の定数は条例で定める。
 (監査委員)
 第九条 この組合に監査委員二人を置く。
2 監査委員は、管理者が議会の同意を得て知識経験を有する者及び議員のうちからそれぞれ一人を選任する。

3 監査委員の任期は、知識経験を有する者のうちから選任される者にあっては三年とし、議員のうちから選任される者にあっては議員の任期による。

4 議員のうちから選任された監査委員は、議員の職を失ったときはその職を失う。

  第四章 組合の経費
 (経費支弁の方法)
 第十条 この組合の経費は、次の収入をもって支弁する。
  一 関係市町村の負担金
  二 補助金
  三 使用料及び手数料
  四 この組合から生ずる収入
  五 その他の収入
  2 前項関係市町村の分担方法は、毎年組合議会において定める。
 附則 (省略)
(「大田原市例規集」)

 本地区の広域行政は以上のような構成規約によって組織されたが、現在次のような施設を設置して広域行政の目的達成につとめている。
   共同施設(昭和五十年五月現在)
  イ し尿第一処理場 大田原市今泉 60kL/日
  口 し尿第二処理場 黒磯市越堀  90kL/日
  ハ 職員共同研修  新採職員、主事補、技師補、主事、技師研修
  二 結核検診、伝染病予防  レントゲン車一台、隔離病棟一
  ホ 食肉センター  昭和四十九年度と畜数二二、〇一六頭
  ヘ 広域研修センター管理運営
(「那須地区広域行政事務組合関係綴」)

 このほか、消防については同四十五年六月一日別に大田原市・西那須野町・黒羽町・湯津上村及び塩原町の一市三町一村をもって、大田原地区広域消防組合が組織されているのである(第六編消防参照)。